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千里さんはモテモテ
「円花はハチと青空っ子ね」
蜂谷さんを泣きながら後追いする円花を見てぷぷっと千里さんが笑った。
「まだ一歳にもなっていない。なのに陽葵を抱っこしていると一丁前に焼きもちを妬いて、大変なんだ。テーブルを手でバンバンしたり、ブスくれたり、あやすのが一苦労だ。円花、荷物移動が終わるまで待てだ」
青空さんが円花を抱き上げてくれた。
「パパが焼きもち妬きだからしょうがないわよ。相変わらず一太はモテモテね」
子どもたちが一太くんのまわりに集まっていた。みんな一太くんの言うことを聞いて荷物運びのお手伝いをしていた。
彼はというと、庭で卯月さんと惣一郎さんたちと竹を切ってなにやら作業をしていた。
「明日のお昼に流し素麺をするみたいよ。その準備じゃない?」
「その前に竹とんぼをつくったり、竹ぼっくりと水鉄砲を作ろうかなと思ってな。昔遊びを子どもたちに体験させてやりたいんだ」
「あら、聞こえてたの?アタシ、てっきり未知の話ししか聞いていないと思っていたわ」
「あのな千里……」
千里さんが長い足を組んでふふっと微笑んだ。
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