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まゆになった

2ヶ月目、いきものはもう大型犬なみの大きさになっていた。 でもふわふわだし、可愛い。 サイズはともかく可愛いし、翠の目は吸い込まれるみたいだ。 2部屋しかない家の中では狭すぎるのではないかと思ったけど気にしてない。 天井や壁をするすると走っている。 オレが帰ってくるとオレにすりより、甘えてくる。 疲れた心を癒す一瞬だ。 あたたかくて、鼓動する身体を抱きしめる。 ふわふわ。 すりきれかけていた心が甦る。 指を与えたら、夢中でしゃぶる。 舐められ、吸われる感覚に笑う。 なかなか止めないのが可愛い。 オレを見つめる目に、吸い込まれそう。 こんなにもオレだけのことを見る目、もしかしたら初めてかもしれない。 人がいきものを飼うのはこの目のせいかもしれない。 シャワーを浴びてからねむるまで、いきものを抱いて、いきものは指を吸ったりオレの頬を舐めたりする。 そしてベッドに横になるといきものは当然のようにオレに乗ってそこでねる。 オレもその重みに安心して寝る。 いきものが来てから寝れるようになった。 飯も買ってでも食べるようになった。 生きてても仕方ないとか思っていたのに いきものは鳴かない。 でもその目がオレをどんなに好きか語りかけてくる。 「オレも好きだよ」 いきものの翠の目を見て言えば、いきものは喜んでオレの顔を舐めた。 このいきものが何であろうと。もう手放す気はなかった。 いきものはオレが好きで。 ふわふわで可愛くて。 暖かくて。 もうそれで良かった。 でも、その日家に帰ったなら家の中に真っ白な繭があった。 オレよりデカい繭で。 それがいきものなのだとわかった。

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