18 / 52
第18話
気がついたら寝てしまっていたようだ。ハッと気が付いた目の前にはランディがいて、リーラは見つめられていた。
「おはよう」
「オハヨウゴザイマス…」
ブフッとランディが盛大に笑う。
「なんでそんなにカタコトなんだ?」
「だって…その…」
おでこと頬と唇にキスをされる。
目が覚めてもこの人は甘い。まだ甘い時間が続いていていいのだろうか。出来ればこのままでいたい。けれど、王宮に帰ったらいつもの関係に戻らないと、とリーラは強く決意する。
「朝食、食べるか?」
「あ、準備します。すぐに」
動こうとしたが、裸だったことに気がつきリーラは焦る。
「服、着させてやろうか」
ニヤニヤとしランディが言う。
いじわると小声で言いリーラは睨むが、怯むことなく続けて言われる。
「そんなかわいい顔するなよ」そう言って頬を撫でるから、「自分で出来ます…」と更に尻つぼみに声が小さくなってしまった。
朝食も上の空である。ふわふわとした感覚が続いていた。普段あまり自慰行為をしないリーラは、立て続けに何度も射精をしたのは初めてであった。自分があれだけ欲望があるとはと、驚く。
食事が終わり、また二人で食器を洗っているとランディが心配そうに尋ねてきた。
「あまり食べてなかったけど、具合悪いか?」
「えっ?い、いえ大丈夫ですよ。
えーっと、昨日クルットさんに、少しふっくらしたって言われたので、ちょっと食事の量を減らそうかなって思って」
昨日の行為を思い出していたから、上の空であまり食べられなかったとは言えなかったので、咄嗟に出まかせを言ってしまった。
「ええ?全然変わってないぞ?もっとふっくらしてもいいくらいだ。ほら」
そう言い、リーラを抱き上げる。
「も、もう。降ろしてください。重くなったから」
「ダメだ。うーん、どうだろう、持ち上げても抱きしめても丁度いいけどな。今も気持ちいいけど、ふっくらしても気持ちいいぞ、きっと」
「もう…いいですって」
リーラは真っ赤になり恥ずかしさから下を向くと、ランディの厚い胸板があった。また昨日を思い出してしまう。
抱き上げられたまま、ソファに座り、またキスをされる。ランディのキスは優しく気持ちがいい。そして、このソファは泣いてるリーラを慰め抱きしめてくれたなと、リーラは思い出す。すごく遠い過去のようであるが、そんなに昔でもない
「そろそろ城に帰るか…」
「そうですね。みんな待ってますよね」
帰りたくないなと思う。このまま誰でもない二人で過ごしていたいなと思う。
でも、国王陛下をみんなが待っている。
「帰りましょう」
思いを断ち切るようにリーラは笑顔でランディに言った。
ともだちにシェアしよう!