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第23話
あの日からネロとアルは、リーラ、ランディとは別の場所で寝起きするようになった。それと同時に二人の行動範囲もどんどん広がり、毎日の学習や剣の訓練など、それぞれ興味があることを熱心に取り組んでいる。
ランディは、「寝るまでの間も、色んなことを吸収したいんだろう」と、笑いながら言っているが、リーラには少し寂しい気持ちもあった。
これが成長というものだろう、寂しくもあるが嬉しいことでもあると、リーラは自分に言い聞かせる。
沢山の人と巡り合い、語り合うのはいい刺激にもなり、大人になる道につながっているはずだ。
そうなると夜、寝る時は必然的にランディと二人きりとなり、大きなベッドに二人で寝てはいるが、リーラは頑なにベッドであの行為をすることを拒んでいた。
「なんでダメなんだ。ここはもう俺たちだけだし、何してもいいじゃないか。君を可愛がってもいいだろう?」
「ダメです。だって、声が聞こえちゃうかもしれないし…知られてしまうのもダメでしょ?ランディに変な噂とか立つのも嫌だし」
「噂?いいじゃないか、何も変なことなんてしていない。誰に知られたって構わないぞ、俺は」
「それに、あの子達一緒じゃないのに、僕だけここで寝起きしてるのもおかしいですって」
そう拒んでも、快楽を一度知ってしまった身体はすぐには変えられず、湯浴みに誘われては睦み合うこともしていた。
「わかった…ここではダメなんだな。
えーっと、声が出ても大丈夫で、噂も気にならず、誰にも何をしてるか知られなければいいんだな?」
ランディは、リーラが納得する理由を、指折り数え難しい顔をしている。
「だが、リーラと俺が別の部屋で寝るのは却下な。それと、ベッドでキスだけは許してくれ」
素早くキスをされる。口の中をランディの肉厚な舌で弄られ、全身の力が抜けて行く。
抱きしめられ、抱きしめ返す、今日もこのまま眠ることになるだろう。
出来ることならこのまま身を委ね、この関係のまま流されていたいと思っている。
「キスだけだ、許せ。それ以上は何もしない。今日はな…」
「んんっ…もう…んっ」
齧り付くようなキスから、啄むようなキスに変わる。逆ならいいのにと、物足りなくてリーラは吐息が多く出てしまう。部屋から濃密な空気が出ているから、多分みんな気がついてしまう。どうしようと思いながらも止まらないのは、手の届かない人に恋をしているからだとわかってる。
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