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第26話

のどかな風景が広がり、葡萄畑や、その他の果物畑も多く見える。 到着してからが忙しく、騎士団と一緒に荷卸しを手伝ったり、滞在するテントやタープを張り、馬に水を飲ませたり、皆で協力していた。 いつもキッチンで昼ごはんを作ってくれている料理長達も一緒に来ている。 料理長達数人で、大急ぎで食事の支度を整えているため、リーラもキッチンに入り手伝うことにした。 「リーラいいのか?こっちに入って」 「うん、大丈夫。僕はあっちの力仕事だと役不足だから。キッチンでやる事指示してください。じゃがいも剥きます?」 「ああ、頼む。悪いな」 大人数でこの土地までやってきた。 なので、作る食事の量もかなり多い。 キッチンも殺伐としてくる。 「それにしても、リーラとあの双子が 兄弟だったって、今日知ったよ」 「俺もだよ。びっくりした」 「あー…そうなんです…」 久々にみんなと会話するも、キッチンが忙し過ぎて、中々話が続かない。後で ゆっくり話出来るかなと思っていた所に、リーラの後ろがざわつき始めた。 「リーラ、何か手伝うことあるか?」 振り向かなくても声でわかる。 リーラは心の中で小さなため息をつく。 「ひっっ」 「ぎゃっ」 「ラ、ランドルフ陛下」 キッチンの中にいる皆が跪く姿勢になるところを「ああ、いい、大丈夫だ。俺も手伝うかなって思って来たから」と、 跪くのを手で制する。 国王陛下が急にキッチンに来たらどうなるかなんて、わかっているはずだろうと言いたいのを堪え、ニッコリ笑いリーラはランディに伝えた。 「陛下、お気遣いありがとうございます。でも、大丈夫ですよ。キッチンは 料理長と皆さんがいらっしゃるので」 「うーむ…そうか?あ、俺は皿洗い出来るぞ。やるか?」 その言葉を聞き、ここにいる全員が、同じことを心の中で思ってるはずだ。 (皿洗いやったことあるの?)って。 これ以上、ここにいる皆を恐縮させてはいけないとリーラは焦り、 「大丈夫です。ありがとうございます」と笑顔でいいながら、出口を指差した。 「わかった。ではあっちで待ってるな」 そう言い、ランディはリーラの頬を一撫でしてから出口にゆっくりと向かっていった。 リーラは真っ赤になって、じゃがいもをひたすら剥く。 みんなもそれぞれの仕事に戻るが、リーラとの関係は何なのか、疑問に思っているだろう。 ランディだけは、牽制するのに成功したとほくそ笑む。

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