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第36話※

「んんっ…ランディ?」 「んー、おはよう…」 疲れていたようでぐっすり寝てしまった。 それでもまだ朝早く、もう少し寝れるはずだ。なのに、横にいる男は前からリーラをキツく抱きしめ、両手で尻を揉んでくる。寝ぼけているわけではないらしい。 「ちょ、ちょっと、ダメ…」 「君は柔らかいな…」 耳と首筋にキスをされ、そのまま唇まで キスは落ちてくる。 「んんっ…ふぅ、あん」 キスが深くならないように止めるが、ランディの手は止まらない。リーラの尻を揉みながら腰を押し付けてくるので、ランディの股間が力強く滾るのを感じる。 「リーラ、ちょっとだけだ…」 ランディが上から伸し掛かってきた。手は尻から乳首に移り、指の腹でクリクリと摘んでいる。下半身はぐりぐりと押し付けてくるので、リーラのペニスも立ち上がりかけてきた。 「もう…ダメって…」 流されそうになりながら何とか声を絞り出すが、甘えた声になってしまった。 「リーラ…止まらなくなってきた」 ぐずぐずと二人で絡み合っているところに、扉がバンッと大きな音を立てて開き、パタパタと足音が聞こえてきた。 「「リーラ!」」 双子が呼ぶ声に、反射的にリーラはランディを肘で押し退け、ベッドにガバッと起き上がった。 「痛ってぇ…」 痛がっているランディをチラッと横目で見て、寝室に飛び込んできた双子をリーラは両手を広げて迎え入れる。 「ネロ!アル!元気だった?」 「昨日遅くに帰ってきたの?すぐに会いたかったよ」 「待ってたよリーラ!おかえりなさい」 元気そうな二人をベッドに引き上げ抱きしめる。離れていたからお互い心配していたのだろう、二人もリーラも無事に再会出来て、ホッとしていた。 「朝早すぎないか?まだ寝てる時間だろ」ベッドにうつ伏せになりながらこっちを向いてるランディが、不貞腐れた声を出した。 「「ランディ!」」 双子がランディの背中に飛びつき抱きついている。 「おかえり!」 「おかえりなさい。元気だった?」 「ああ、お前らも元気そうで安心した。変わりはないか?」 「変わりはないよ!毎日勉強もしてるし、訓練もしてるよ」 「僕も!お城に戻ってきても毎日忙しくて、楽しいの」 二人の顔を見ればわかる。生き生きとした顔で話し始める二人が久々に見れてリーラは嬉しく思っていた。 「ねえ、ランディ。なんでまだ寝てるの、もう起きようよ」 「どうしたの?まだ眠い?」 「いや…落ち着かせている。お前たちもそのうちわかるようになる…」 寸前で上に覆い被さるランディを押し退けたから、ネロとアルには気が付かれなかったと思うが、さっきまでの甘い空気が部屋に充満しているかと焦り、さっさとリーラは着替え始めていた。顔が赤くなるのを見られるのも気まずい。 「よし、じゃあ朝ごはん一緒に食べるか」 落ち着いたであろうランディが、ガバッとベッドから起き上がり声をかける。 久しぶりに四人で朝食を食べることができた。

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