21 / 107

第21話 アダルト動画を、どう説明したら良い?

離れた唇が切なくて、シルヴァの首に回した手に力を入れてキスをねだると 「多朗、これ以上は……。我慢出来なくなるから……」 戸惑うシルヴァに 「我慢なんかするな! 俺を抱けって言ってるんだよ!」 そう言うと、シルヴァは目を見開いてシャツのボタンを外すと上半身裸になり 「もう、止めてと言われても止まらないからね」 と言われて頷く。 唇が重なり、俺もシルヴァを求めるようにシルヴァの後頭部に手を回して押さえ込み唇を重ねる。 するりとシルヴァの髪の毛をまとめるゴムが外れ、ふわりと金色の髪の毛が夜の闇に散らばった。 金糸のような髪の毛が月の光で輝き美しい。 うっとりと眺めていると、シルヴァの唇が頬から首筋へと触れて行く。 シルヴァの髪の毛にそっと触れると、シルヴァの手が俺の手に触れてゆっくりと手のひらに唇を落として微笑んだ。 すべての仕草が、奇跡のように美しい。 「シルヴァ……」 名前を呼ぶと、シルヴァのサファイアの瞳が優しく俺を見つめ返す。 まだ出会って間も無いのに、愛しさで胸が苦しくなる。 あれかな? 恐怖を感じた後だから? 吊り橋効果ってヤツに違いない。 なんて考えて、再び重なる唇を受け止めて目を閉じた。 シルヴァの唇が首筋を伝い、胸元へと降りて来て一度軽く吸い付くと、舌先で乳首を舐めてから乳輪をなぞるように舐めて再び吸い付く。 「あっ……」 身体がピクリと跳ね、甘い声が漏れて慌てて口を両手で塞いだ。 真っ赤になって口元を抑える手を、シルヴァの手が外して 「多朗、声を我慢したらダメだよ」 手や頬にキスをされながら言われて益々顔が熱くなっていく。 「変だろう? 男が女みたいな声出して……」 羞恥で呟くと、シルヴァが 「女みたいな声って……、多朗は女性を抱いた事あるの?」 と訊かれてしまった。 俺はジッと俺を見下ろすシルヴァから視線を逸らして黙っていた。 だって、アダルト動画で見たなんてこの世界の人にどう説明するんだよ! するとシルヴァは、無言が肯定だと勘違いしたらしい。 目を据わらせて 「多朗、もう女性とじゃ満足出来ない身体にしてあげるね」 と恐ろしい言葉を言って、シルヴァがにっこりと微笑んだ。 俺が驚いてシルヴァを見上げると、シルヴァが明らかに嫉妬した顔をして俺の肩に噛み付いて来た。 甘噛みだから痛くは無いけど、ガブガブと俺の身体に噛み跡を着けて行く。 「シルヴァ! シルヴァ落ち着け! 俺じゃ無い! 他人のを見たから知ってるんだよ!」 そう叫ぶと、シルヴァの動きが止まり 「多朗……、覗きはイケナイ……」 と、今度は悲しそうな顔をされてしまう。 「違うよ! 俺達の世界ではそういうのが見られるモノがあって、それで見たんだよ! やってる奴等も、見られるのを分かってやってるんだよ!」 俺の言葉を、シルヴァが疑いの眼差しで見下ろしているので 「そんなに疑うなら、和久井に聞けば良いだろう! あいつだって、見たことは無くても知ってるよ!」 そう叫んでやっと納得したらしい。

ともだちにシェアしよう!