55 / 107
第55話
目の前で優雅に食事を取るエリザを見ながら、それでも胸に湧き上がる疑問がある。
(俺は本当に、こんな完璧な美少女を好きになったのか?)
透き通るような白い肌に、黄金のストレートな金髪。綺麗な二重の目には、深い深いサファイアのような青い瞳。通った鼻筋に、小さな小鼻。
頬は薄紅色で、唇は小さくて薄い可愛らしい唇をしている。
好きだった相手の筈なのに、何故、こんなにも冷静に彼女を見つめていられるのだろう?
恋って……もっと違う気がしてしまう。
時には激しく、燃え盛る炎のように相手を求め、自分では制御出来ない感情だったような気がしてならない。
『多朗……愛してる』
ふと、記憶の中の何かに触れた。
俺の頬を包む暖かい手
触れ合う肌の温もり
愛しそうに俺を呼ぶ優しい声
そして、エリザとは似ても非なるサファイアの瞳──。
「ガシャーン」と音を立てて、フォークが皿に落ちた。
ハッと我に返ると、瞳から大粒の涙が溢れている。
「お兄様?」
驚いた顔をするエリザに、俺は涙を拭い
「あれ?何で涙?」
と呟くと、もう、さっきまでの記憶が残っていない。
俺は確かに、何かを思い出しかけていた。
でも、今の俺に残っているのは、胸を締め付けるような鈍い痛みだけ。
「悪い、先に部屋に戻る」
慌てて立ち上がり、俺は部屋に駆け込んだ。
胸に去来する謎の感情に、俺はドアの前に蹲る。
必死に深呼吸をして感情を沈めてベッドへと身体を横たえると、胸を襲う甘い痛みと同じように、身体が熱く疼く。
(なんだ?……俺の身体、どうなっちゃったんだよ!)
前を寛がせ、勃起している自分自身に手を這わす。
『多朗……』
又だ……、又あの声が聞こえる。
甘い吐息が混じり、長くて綺麗な指が俺自身に巻き付きゆっくりと軽く扱くと
『多朗……気持ち快い?』
甘く耳元で囁かれる。
何度も頷くと、頬にキスをされ
『多朗……、可愛い……』
そう言いながら、アイツは綺麗な指で茎の下にある双果をヤワヤワと揉むように刺激しながら唇にキスを落とす。
「あっ……」
小さく喘ぐと、ゆっくりと裏筋を指先で撫で上げて先端まで指を這わすと
『多朗……どうして欲しい?』
って、ちょっと意地悪な笑みを浮かべて俺を見下ろす。
「どう……って……」
『多朗がして欲しい事、して上げるよ』
頬や耳、首筋にキスを落としながら囁かれ、甘い快楽に意識が朦朧として来る。
「もっと、気持ち快くして……」
そう答えると
『じゃあ、手で扱くだけで良い?』
と言うと、ゆっくり俺自身を綺麗な指が包み込んで上下に扱き始めた。
「あっ……あっ……」
俺は喘ぎながら、俺を支配するそいつ自身にも手を這わした。
「〇〇〇、俺もお前にしたい」
そう言うと、そいつは青いサファイアの瞳を情欲に揺らし、俺の手にそいつ自身を握らせて扱き合う。
「〇〇〇、お前のを舐めたい」
キスを重ねる合間に呟くと、そいつはゆっくり纏っていた衣類を脱ぎ捨てて、俺の顔を跨いでそいつ自身を俺の口元に当てた。
ゆっくり口を開き、デカくて長いそいつのモノを咥える。するとそいつも俺自身を咥えて吸い上げながら、手と口で俺を追い上げる。
同じ野郎のモノなのに、不思議と嫌悪感が無い。
寧ろ、固くて熱いモノが口内を犯すゴリゴリとした感触に身体が熱くなる。
口の中には雄の匂いが広がり、早くこれで貫かれたいと欲してしまう。
「んっ……んぐっ、……んんっ」
必死にそいつを咥えていると、ゆっくりと口から引き抜かれ
『すみません……多朗。もう、我慢出来ません』
そう言われて、そいつが元の体位に戻すと
『多朗……挿入 ますよ』
そう囁かれて、そいつの先端の先走りを俺の最奥の蕾にゆっくりと塗り付けると、ゆっくりとそいつ自身が俺の中へと挿入 って来る。
「あっ……あぁっ……」
最初の圧迫感さえも、コイツと繋がれる幸せを感じた。
ともだちにシェアしよう!