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第74話
そしてベッドから飛び降りると、指を鳴らしてドアの外に居る部下を呼んだ。
そいつの手には革で出来たムチがあり、そのムチをシルヴァにキスをした人物に振り落とした。
「宝石に触れて良いのは、私だけだ!お前のような偽物が、本物に触れるなんて100年早い!」
部屋の中に、ムチが空を切る音と人を叩く鈍い音が響き渡る。
シルヴァは力の入らない身体を必死に起こし
「……れ、止めてくれ!」
と叫んだ。
ヒュンとムチが空を切る音が止まり、身体を丸めている男の寸前でムチが止まる。
「頼むから……そんな物でその人を傷付けないでくれ」
シルヴァの懇願する声に、ルーファスはゆっくりと近付いて
「あぁ……貴方はなんて優しいのでしょう」
シルヴァの顔に触れ、ルーファスは頬擦りしてうっとりとシルヴァの顔を眺めた。
そして小さく笑うと
「でも、その優しさが自分を苦しめるんですよ」
と呟くと
「11号、優しいシルヴァ様から許可が出た。私の触れた後なら、好きにすれば良い」
そう続いたのだ。
シルヴァは目を見開き、何が起こるのか分からないでいた。
すると11号と呼ばれた男はゆっくりと近付き、再びシルヴァの唇に唇を重ねた。
「貴方は……馬鹿だ」
ポツリと小さな声が聞こえた。
驚いて見上げると
「俺みたいな性奴、見捨てれば良かったのに……」
悲しそうに揺れる瞳が、シルヴァは何処か他人事には思えなかった。
そんな事を考えていると、ルーファスの唇がシルヴァの胸に吸い付いた。
強く吸われながら、舌先で乳首の先端を激しく刺激されて思わず仰け反る。
「あぁっ!」
唇から漏れた声に、ルーファスは激しく舌先でシルヴァの乳輪を舐め回してから乳首の先端に舌先で刺激を繰り返す。
「あっ…………あっ…………っ!やめっ……っ!」
首を必死に左右に振り、シーツを蹴って快楽に飲まれまいと必死に抵抗する。
強く吸い上げたまま、シルヴァの胸から唇を離すと
「シルヴァ……、女のように乳首がコリコリに立っておる。どれ、反対側も可愛がってやろう」
そう言って、反対側も同じように吸いながら、先程まで吸っていた乳首を指先でつまんでは撫で回した。
「アァ!…………あっ!……あっ!アァァ!!」
必死に耐えるシルヴァの気持ちも他所に、激しい攻め苦にシルヴァはまだ触れられていない自身から欲望を吐き出した。
呼吸を整えていると
「シルヴァ?誰がイッて良いと言った?」
ルーファスが楽しそうに呟くと、お香が置かれたトレイから細い管を取り出した。
「11号、綺麗にしてやれ」
ルーファスがそう言うと、11号と呼ばれていた男は押さえていたシルヴァの腕を外し、シルヴァの足元へと移動すると、シルヴァの吐き出したモノを舐め取っている。
「何を!」
慌てるシルヴァにルーファスが
「こいつは元々、そういう仕事で此処に来ているんですよ」
そう言うと、11号と呼ばれていた男は萎えたシルヴァを口に咥えて吐出したモノを綺麗に舐め取っていった。
シルヴァは『性奴』はもとより、奴隷そのものを禁止していたこの国に、まだこんな事をしている人物が居たことにショックだった。
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