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第79話

「多朗……」 「シルヴァ……」 お互いを隔てる物が邪魔で、互いに裸になって抱き合った。 「随分、身体付きが成長したな……」 ふわりと笑うシルヴァに 「誰かさんのせいで、16歳から18歳になるまであっちの世界に居たからな」 わざと嫌味っぼく言うと、シルヴァが苦笑いしながら 「幼い身体を抱くのにはいささか抵抗があったけど、これだけ成長していれば遠慮は要らなそうだね」 なんて言いやがる。 俺はそんなシルヴァに 「はぁ?前から遠慮してたかよ!」 と反論すると、シルヴァはプッと吹き出して笑い出し 「遠慮はしていたよ。こう見えて」 と答えた。 裸で抱き合うと、互いの熱が伝わって幸せを感じる。 「シルヴァ……」 名前を呼びながらそっと頬に触れてみると、頬に触れた手にシルヴァの手が重なる。 「多朗……、愛しています」 「うん、俺も愛しているよ」 唇を重ねて、触れるだけのキスを交わす。 そして額、瞼、頬、鼻先にキスを落とされ、額をコツンと当てられて、鼻先と鼻先を擦り合わせて微笑み合う。 こんな時間が愛しくて、胸が苦しくなる。 「もう、絶対に離すなよ」 シルヴァの首に抱きつき呟くと、シルヴァの逞しい腕が俺を抱き締め返す。 もう二度と、腕の中のシルヴァが消えないように、強く強く抱きしめる。 「多朗……そんなに強く抱き締めなくても、消えたりしないから……」 俺の背中を優しく撫でて、シルヴァが囁く。 その時、互いの昂りが重なり合う場所で、シルヴァ自身がググッと熱を持つ。 思わず疑問の視線を向けると 「いや、多朗がこんなに僕を愛してくれているんだと思ったら、滾るものが……」 って、苦笑いしながら頬にキスを落とした。 裸で抱き締め合うだけなのに、重なる肌から……互いの昂りから……お互いの思いがジワジワと俺達を優しく包み込んで行く感覚になる。 「多朗……」 シルヴァのサファイアの瞳が、色気を孕む眼差しに変わる。 ちゅっ……と触れるだけのキスを数回唇に落とすと、頬を両手で包み込んでゆっくりと唇を重ねた。 そして俺の下唇を甘噛みすると、シルヴァの舌が優しく下唇を舐めて来た。 「あっ……」 小さく喘ぐ唇を、シルヴァの唇が塞いで舌を差し込む。 互いの舌を絡め合い、シルヴァの背中に腕を回した。俺の身体を抱き締めていた腕が緩くなり、シルヴァの右手が背中を撫でるように下へと下りて行く。 ただそれだけの事なのに、身体中にビリビリと快楽が駆け巡る。 「んぅっ……っ」 身体を震わせて喘ぐと、荒い呼吸をしたシルヴァが唇を離して左手で俺の唇に触れ 「多朗……、もう感じてくれているの?」 と、目を細めて色っぽい掠れた声で囁く。 俺は唇に当てられたシルヴァの指にしゃぶりつき、うっとりと俺を見下ろすシルヴァのフェロモンダダ漏れの顔を見つめていた。 (ヤバい……、こいつにめちゃくちゃに抱かれたい) そう思いながら指をしゃぶっていると、もう一本口に突っ込まれながらシルヴァが俺の首筋に舌を這わせると、腰を強く抱き寄せた。 互いの昂りがゴリゴリと当たり 「ふぁ……っ!」 と声が漏れ、口内をシルヴァの指に犯されながら、首筋をねっとりと舐められ、昂りをゴリゴリと刺激されて溶けてしまいそうだ。 「多朗……、気持ち良い?」 荒い呼吸と掠れた声で囁き、耳を舐められてガクガクと身体が震えている。 「ひぃもち……ひぃ……」 シルヴァの指を咥えたまま、互いの昂りを擦り合わせるように腰を揺らすシルヴァに応えるように、指を舐めながら腰を振って呟いた。 するとシルヴァ自身がドクリと膨張して、擦り合う俺自身にシルヴァの昂りの熱を直に伝える。

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