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第80話

「多朗……。このまま一度、一緒にイきますよ」 そう耳元で囁かれ、俺は熱に浮かされたようにシルヴァにしがみついていた手を離し、互いの腹で擦り合わせていた昂りを両手で包み込んで扱き始めた。 「あっ……多朗、それ、今はダメ……ぇっ……ぁっ!」 ブルリとシルヴァの身体が震え、俺の腹にシルヴァの欲望が吐き出された。 「あっ……あぁっ……!」 思わぬ所でイッてしまい、思わず漏れたシルヴァの喘ぎ声に俺までイッてしまった。 シルヴァに遅れること数秒でイッた俺が、荒い呼吸を整えながらシルヴァに視線を向けると、シルヴァは髪の毛をかき上げながら唇を舐めた状態で俺を見下ろした。 「多朗……、イケナイ人ですね……」 ふわりと笑った顔を見て、思わず腰が引けた。 匂い立つ色香を放ち、フェロモンムンムンにさせているこの男は誰だ? 唖然とした顔でシルヴァを見上げていると 「僕は言いましたよね?大人の身体になった多朗には、遠慮しないって」 そう囁くと、逃げ腰の俺の腰を掴んで身体を反転させ、ピッタリと背中に身体をくっつけた。 臀には、さっき放った筈のシルヴァ自身がガチガチな状態で当たっている。 「シ……シルヴァ?俺、とはいえ成人してないから……」 と呟くと 「安心して下さい。この世界の成人は、18歳ですから」 そう言って、耳元にキスを落とした。 ヤバい……本格的にヤバい。 シルヴァの本領発揮が、こんなエロ魔人なんて聞いてない!! シルヴァから香る、薔薇のような香りだけで下半身に火が灯る。 「大丈夫です、気持ち良い事しかしませんから……」 項から背骨に唇を這わせているだけなのに、羽で触れるようなソフトタッチに腰が砕けた。 抱き締めるように回された胸に触れた手も、腰を上げるように俺自身を握る手も……、無骨な男の手とは思えない程に繊細で優しく触れて来る。 「多朗……イきたかったら、何度でもイッて良いからね……」 耳朶を甘噛みされ 「アァっ!」 と、軽くシルヴァの手の中で果てた。 「多朗……前は中和するだけの作業だったけど、今日は本当のセックスを教えて上げる」 甘く囁かれるシルヴァの声だけで、何度か軽くイきそうなった。 背中をキスされて、背骨の真ん中で強く吸い上げながら甘噛みをすると、そこを舌で舐めて再び吸われて仰け反る。 「あっ……アァっ!」 その度に軽くイってしまい、意識が朦朧として来た。 すると臀に唇が這わされ、ゆっくりと双丘を開いて最奥の蕾にヌルリとした感触が触れた。 ハッとしても時は既に遅く、顔を枕に沈めて高く臀を上げている状態になっていたので身動きが取れない。 蕾を舌先が円を描くように差し込まれて、ゆっくりと中に挿入(はい)って来る。 「あっ……止め……っ!」 必死に絞り出した声は、唾液を送られながら舌先を出し入れされて指を突っ込まれ声を失う。 ぴちゃぴちゃと卑猥な水音が響き、ゾワゾワする感覚に身体が震える。 「あっ……あっ……いや……だぁ……」 必死に抵抗していると 「多朗……嘘はダメだよ。多朗の中、気持ち良いってうねって離さないよ」 見上げたシルヴァは、指を中に入れて動かしたまま、唇を舌で舐めて濡らしていた。 その色気に当てられ、ゾクリと俺の身体が泡立つ。 「久しぶりだからね、たっぷり慣らさないと」 そう言って、俺の胸に手を這わせて乳首を弄り始めた。 「あぁっ!」 刺激に甲高い声が上がると 「そう、多朗は感じてて……。ここが柔らかくなるから……」 と言いながら、俺の項を甘噛みして来た。

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