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第100話 オマケの話~姫始め~
異世界に来て早7年が経過した。
この世界にも年越しがある。
花火が盛大に上がり、街中が大騒ぎになる。
俺の居た世界の、しかも日本とは偉い違いだ。
日本は厳粛な空気の中、新たなる年の始まりを祝う。
だからといって、この世界の年始が悪いとも思ってはいない。
笑顔が街中に溢れ、新たなる年の始まりを街中でどんちゃん騒ぎして迎える。
各地域にシルヴァの年始の挨拶が書かれた新聞が配られ、これはこれで楽しい。
子供達も6歳になり、それぞれの従者を連れて昼過ぎにいそいそとアイシャに会いに行ってしまった。
静かな部屋のバルコニーで、城下街の賑わいを眺めていると
「多朗?」
王としての仕事を終えたシルヴァが入って来た。
「今年は双子が居ないから、静かだな……」
苦笑いを浮かべた俺に、シルヴァがそっとガウンを肩に掛けながら
「寂しいのか?」
と優しい笑顔を浮かべて聞いて来た。
「まぁね。母様、母様と着いて回っていたのに、2人してアイシャに会いに行ってしまうなんてなぁ~」
そう言って、大袈裟に肩を窄めて笑うと
「僕は久しぶりに二人きりで過ごせる夜に、子供達に感謝してるけど……」
と言って、シルヴァの細くて長い綺麗な指が俺の顎に触れて上に向かせると、ゆっくりとシルヴァの唇が重なる。
一度、軽く唇に触れてから唇が離れて行くのを感じて目を開けようとした瞬間に後頭部をガッチリ掴まれて唇が重なる。
舌が差し込まれ、激しく貪るようなキスにシルヴァの背中にしがみつく。
「んっ……んぅ……っ」
腰を抱き寄せられ、口内を犯されてしまい身体に欲望の火が灯る。
唇が離れると同時に、腰が立たなくなる程に甘く溶かされてしまう。
シルヴァが満足そうに両頬を両手で包み
「多朗……、もうトロトロに溶けた顔をしているね」
そう囁いて、瞼にキスを落とす。
それだけでもう、腰が砕けそうになってシルヴァの胸元に身体事預けて荒い呼吸をする。
「シルヴァ……」
抱き締められたシルヴァの胸元に頬を擦り寄せると、シルヴァに抱き上げられた。
首にしがみつき、シルヴァの唇に唇を重ねる。
「多朗、ちょっと待って……」
キスを求める俺を制して、優雅な足取りでベッドまで歩くと、ゆっくりとベッドへと下ろした。
シルヴァは30歳になって、王の気品と歳を重ねた色気が増し増しで魅力的になっている。
それに反して、双子を産んで少し腹の肉がたるんだ25歳の俺。
良き国王であり、良き夫であり、良き父親という完璧なシルヴァ。
ただ最近、良き夫の部分が少し鳴りを潜めている気がする。
「最近、忙しくて、子育ても全部任せ切りですまないな」
身体を重ね、シルヴァが俺の頬にそっと触れる。
シルヴァが国王になって7年目。
平和ではあるが、それなりに問題点もあってシルヴァは忙しそうだ。
「子育てだけか?」
拗ねて聞くと、シルヴァは小さく笑って
「多朗の夫としても、寂しい思いばかりさせてすまない」
そう言うと、そっと唇にシルヴァの唇が重なる。
「今夜は久しぶりに、2人だけの甘い夜を過ごそう」
シルヴァの囁きに、うっとりと頷く。
そっと抱き寄せられて、キスを重ねる。
互いの舌を絡め合い、俺はシルヴァの頬を両手で包んで唇を重ねる。
「んっ……ちゅっ……くちゅ……っ」
舌を絡める音が響き、キスしながら下半身が疼く。
キスしながら、シルヴァの手が俺のパジャマのボタンを外して、肩からスルリとシルクのパジャマを脱がせてベッドの下へと投げ捨てる。
俺もシルヴァのパジャマのボタンを外し、スルリと肩からシルクのパジャマを脱がせると、シルヴァがやはりベッドの下に投げ捨てた。
上半身裸で抱き合うと、久しぶりのシルヴァの温もりと肌の感触にブルリと身体が震えた。
シルヴァの唇が、ゆっくりと頬から首筋、鎖骨、胸へと下りて来る。
「あっ……あっ……」
シルヴァの触れる場所から、熱が灯り始めて行く。
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