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第104話

あの後、頼むから寝かせてくれと懇願し、ぐっすり眠った後に寝起きからしこたま抱かれた。 結局、夕方までヤリまくり、完全にブラックアウトするまで抱かれ続けた。 (俺……ヤリ殺される……) そう思いながら、俺を満足そうに抱くシルヴァの顔を見て苦笑いする。 結局、絆されちゃう自分がチョロいな~と思いながら、シルヴァの寝顔にキスを落とす。 すると瞼が小刻みに震えて、ゆっくりと目が開いた。 綺麗なサファイアの瞳が細められ、幸せそうに笑う。 「ごめん、起こした?」 と声を掛けると、シルヴァは小さく微笑み 「目覚めて、多朗が腕の中に居るのは幸せだな」 そう言われて胸がきゅんとしてしまう。 「いつも居るだろう?」 「いつもは、母の顔をした多朗だ。あれも良いものだが、恋人の顔をした多朗は今だけだからな」 シルヴァがクスクス笑う笑顔が幸せそうで、俺の選択は間違っていなかったんだと幸せを噛み締める。 「シルヴァ」 「ん?」 俺を抱き寄せるシルヴァを呼ぶと、幸せそうな顔をしたシルヴァが俺の顔を見下ろす。 そっとシルヴァの唇にキスをして 「愛しているよ」 と微笑んだ。 すると、抱き合ったシルヴァの下半身が復活し始めてしまう。 (しまった!!) と思った時には既に遅かった。 「多朗、責任取ってくれよ」 「あーーー!!」 俺は、後悔の悲鳴を上げた。 ★☆★☆ 三元日が過ぎ、子供達が城に戻って来た。 「母様~!!」 真っ先に抱き着いて来てくれて、我が子の可愛い事よ。 そしていつもの日常に戻って行くかと思いきや 「母様!お腹に赤ちゃんがいますよ!」 「父様に似た可愛い妹だよ」 抱き着くなり、そう叫んだ。 どうやらシルヴァの発言通り、お腹に新しい命が芽吹いたらしい。 龍神の力を持つ2人は、時々こうして予言を口にする。 「じゃあ、可愛がってあげてね」 2人の頭を撫でて言うと、顔を見合わせて 「うん!」 と笑顔を浮かべた。 そんな二人に笑顔を返すと 「父様、母様、名前はエリザだ!」 「うんうん、エリザだね」 そう言って、俺のお腹に抱き着くと 「エリザ、早く出ておいで~」 と、語りかけている。 俺とシルヴァは顔を見合わせ、シルヴァに良く似た、俺の世界で俺の代わりに生きているシルヴァの妹のエリザを思い出した。 シルヴァを慕い、兄以上の感情を抱えて苦悩していたエリザ。 彼女も又、向こうの世界で幸せに暮らしていると信じている。 そんな俺の気持ちに気付いたのか、そっとシルヴァが俺の肩に手を置いた。 「こちらに生まれて来るエリザも、幸せにしないとな」 シルヴァの言葉に力強く頷いた。 金色に輝く美しく長い髪 シルヴァに良く似たサファイアの瞳 細く華奢な身体とは正反対の、芯の通ったしっかり者……後に、絶世の美女と呼ばれる俺とシルヴァの可愛い愛娘に出会えるのは、まだ少し先のお話。 俺のお腹に話しかける双子を抱き締めると、そんな俺をシルヴァが抱き締めた。 「この国に生まれる命が、全て幸せな国にして行こう」 シルヴァの言葉に、俺も頷く。 王がこの国の父ならば、王妃は母である。 民が子供ならば、全ての民が笑って暮らせる国を作るのが王族の使命である。 決して驕らず、民の見本であれ。 前国王陛下が俺達に残した言葉 シルヴァはこの言葉を胸に刻み、政を行っている。 そして子供達にも受け継ぎ、この世界で生きている。 俺はこの世界の母として、争いの無い世界であり続けるように祈り続ける。 未来が永遠に、光輝き続けるように…… ~完~

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