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2nd Crime 6

「じゃあ綺麗に創られた『あっちの世界』を見る目なんか塞いじゃえばいーじゃん」  耳元で暁の声がする。志月は寄せられた暁の身体が思ったよりずっと温かいことに何故か驚く。 「俺が警察にバラすか心配なのは、あんたが俺の仲間じゃないからだろ?」  暁が少しだけ身体を引いて、志月の顔を覗き込む。深淵を思わせる黒い瞳がそこにあった。怖いと思うよりも、とても美しいとさえ思える漆黒。 「『こっち側』の人間になれよ、志月」  名前を呼ばれて、志月の心臓が跳ねる。 「こっちに来たって、あんな『事故』でお前が疑われることはねえよ」  懐に居た方が、怯えて暮らすよりよくね?と銜え煙草のまま暁が言う。 「来いよ、志月」  誘いの瞳。引き込まれる。  心地よい体温、大きな手。  志月は息をした。  肺いっぱいに空気を吸い込んだ。 『ホームレス殺害事件の捜査は依然進展がありません』

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