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3rd Crime 2

 人混みから離れ、ネオンも少なくなってきた裏繁華街の終わり、切れかけた外灯が不規則に点滅を繰り返す下に長身のシルエット。 「暁!」  安心したように志月が呼ぶと、暁は振り向いて「一人で来られたな」と笑った。そして、 「ぶっ!」  志月の顔に正面から何か柔らかいものを押し当てた。志月が驚きながらもそれを手にする。 「…クマ?」  押しつけられたのは大きなクマのぬいぐるみだった。 「これ女にやるもんだから絶対他の奴に渡すなよ。俺ちょっと電話してくっから」  そう言って暁が志月の頭を撫でる。 「…彼女?」  志月がクマを抱えたまま上目遣いで暁を見た。 「えー暁女出来たの?!」  突然後ろから声がして、志月は肩を震わせて振り向く。そこには長い金髪のウェーブの髪、デニムのミニスカートに編み上げブーツを履いた小柄の可愛い女の子が立っていた。

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