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3rd Crime 7

「てめぇ、いい度胸してんじゃねーか」  地を這うような低い声が志月の頭上で聞こえる。茂に掴まれて痛みを覚えた腕を押さえながら志月が顔を上げると、銜え煙草の暁が志月を守るように立っていた。 「…暁」  暁が振り向く。志月に怪我がないことを確認するとルミを見遣る。 「あーあルミイッちゃってんじゃねーか、ああ?」  言いながら茂に近付くと、倒れたままのその腹を思い切り蹴った。 「グアッ!」  蛙を捻り潰したような声が茂の口から漏れ、空っぽだった胃から胃液だけが込み上げてきて薄黄色の液体が口から流れた。  冷めた目でそれを見て、暁が茂の前に座る。茂の髪の毛を掴んで無理矢理半身を起こすとガードレールにもたれさせる。 「汚ねえ手で志月に触ったことと、手ぇ上げようとしたことは死刑もん」  暁が茂の顔に手を押し当て、左の目を親指と人差し指でこじ開ける。そして銜えていた煙草を指で摘んでゆっくり眼球に近付けた。 「や、やめっ…」  茂が脂汗を流して抵抗するが、投げ出した足の上に体重をかけた暁が馬乗りで座っていて上手く動けない。 「死ぬか、な?」

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