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4th Crime 2

「指輪だよ。…こっちの世界に来るきっかけになった指輪かな」 「パチったやつ?」  志月が頷く。罪悪感はまだ残っている。 「あれ?これ俺のとおソロじゃん」 「え?」  暁の言葉に志月が顔を上げる。暁が志月の手から指輪を取ると、夕焼けの空に翳す。 「やっぱ同じだ。俺が初めて金出して買った指輪。デザインが気に入って」  暁が指輪を志月の手に戻す。ゴツゴツしたそのかっこいいフォルムは暁の指に似合うだろうなと志月が思う。 「つってもクスリ売った汚ねえ金で買ったんだけど」  暁が自嘲気味に笑う。それでも思い入れの深い指輪だったと目を細めた。 「俺その指輪落として失くしちゃって」 「そうなの?」  暁が頷く。 「それ探してた時お前に会ったんだよ。指輪の代わりにとんでもねーもん拾ったなあ」  暁が志月を見てニヤッと笑った。その視線を受けて志月も小さく笑った。 「俺はね、別に何でもよかったんだ」  こちらの世界を覗く手段だった。 「でも…偶然でも暁と同じ指輪選んでたなんて、運命みたいだね」  罪深いその指輪を、志月は大事そうに両手で包んだ。 「運命って、お前…」 「え…」

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