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4th Crime 3

 暁が頭をガシガシ掻いて俯く。夕日に照らされているからだけではない赤さが、暁の頬に散っている。それを見て、割と恥ずかしことを言っていまったのかなと、志月も頬を赤くした。でも本心だから否定はしないでおく。 「こ、これ何だよ、教科書?」  話を変えるように、暁が志月の傍らに置かれたバッグに手を伸ばす。 「う、うん。日本史テストあるんだ」  バッグの中には日本史の教科書が入っていた。暁が手に取り、パラパラとページをめくる。 「受験に関係ない科目だから力入れなくていいって親や先生には言われてるんだけど、俺日本史の勉強、専門にやりたかったんだ」 「ダメなのか?」 「…うち医者の家系なんだ」  残念そうに志月が呟く。 「後継ぐんだ?」  志月は「分からない」と首を振る。 「本当は優秀な兄が継ぐはずだったんだ。だけど…二年前俺を庇って事故で亡くなったんだ」 「………」  志月は夕日に顔を向けると眩しそうに目を細めた。しかしその目に映っているのは別の風景。

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