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4th Crime 7
「…は」
離れた唇から漏れる吐息が熱い。
暁が離したばかりの志月の唇を親指でゆっくり撫でた。
「俺、お前のこと好きだ」
暖かくて、甘い声。
志月を陶酔感が襲う。
罪深い自分が、罪深いこの街で出会ってしまった運命。
運命の男。
「俺も…」
そう答えると志月の目からまた涙が溢れた。暁はその涙を今度は唇で拭うと、そのまま再び唇を重ねる。
深い深いキス。
息をするために開いた隙間さえ、貪るようにお互いを求めるキス。
(あんな風には生きたくない)
(あんな風に生きてみたい)
ここでずっと…ずっと暁と…。
***
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