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4th Crime 8
ぼーっとした頭のまま、志月は自宅のドアを開けた。
アパートを出て街を抜け、電車に乗り、自宅に着くまで、ずっと暁のことが頭から離れなかった。
恋をしている。
男同士とか、そういう事は全く気にならなかった。暁という存在が大事で、それ以外に何も理由はいらないと思った。
暁はいつも自分を大事にしてくれる。温もりをくれる。どうしてそんなに優しくしてくれるのか分からない、もしかしたら毛色の変わった街の新人を気まぐれに相手しているだけかもしれない。でも、もうそれでもいい。
暁が好きだ。
玄関は真っ暗だったが、志月は明かりを点けなかった。自室に向かおうとして喉の乾きを覚え、リビングのドアをそっと開く。
ガシャン!
志月の頬をかすめて何かが壁にぶつかって割れた。志月は驚いて電気を点ける。
「こんな時間までどこへ行ってたの?!」
母がリビングのテーブルの横に立ってコップを掴んでいる。志月が足元に目をやると、ガラスの破片が散らばっていた。
「今日は塾はない日でしょ!」
母が近付いてくる。
「まっすぐ帰って来て家で勉強しなきゃならないでしょ!」
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