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4th Crime 11

「…ルミ」  広場を抜けてすぐの高架下、自販機にもたれるようにしてルミが地べたに座っていた。 「あれぇ今日は暁と一緒じゃなかったっけー?」  言いながらよろよろと立ち上がると志月の方へ近付く。いつもと様子が違う。志月の前でつまずいて転びそうになったルミを志月が支えた。 「志月制服だあ、初めて見たあ。このネクタイの制服知ってるよお。あれー?志月の制服姿どっかで見たっけえ?」  舌足らずな喋り方、ルミの目の焦点が時々合わなくなる。 「いや、ここに制服で来たのは初めて…」 「志月これあげる!」  志月の言葉を最後まで聞かず、ニコニコ笑って小さな錠剤を取り出した。 「…何これ?」  志月はルミの手のひらの上に置かれた小さなピンク色の錠剤を見る。イチゴ味のラムネのようにも見える。 「フライングハーレムだよ知らないのぉ?」 「フライング…?」  志月が聞いたことのない名前のそれをルミが嬉しそうに差し出す。

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