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4th Crime 17

「十五で家を出てから、何やってもハンパで。まともに生きていく道さえ選べなかった」  片膝を立てた暁がその膝に腕を乗せる。 「誰が作ってんのか出所も分からないクスリ売ったり、年寄りを騙す詐欺の片棒担いだり…今も同じ、使い捨ての利くパシリみたいなことばっかして」  暁が目を伏せた。志月に見つめられているのが辛いかのように。 「タバコと酒を覚えて、ケンカして…裏繁華街で一目置かれていい気になって」  暁は腕に額を付けて俯くと、乾いた笑いを漏らした。 「いい学校の制服を着た奴らとすれ違うたび、あんな風に不自由に生きたくないって笑いながら、本当は…あんな風に生きられればよかったのにって…」 「暁…」  自分と同じ思いが暁から溢れて、志月は暁の腕を掴んだ。タトゥーの入った左腕が少しだけ震えている。 「こんなハンパな俺の側に、お前を置いておけない…」   志月が「そんな事ない」と首を振る。涙が散って暁のタトゥーを濡らす。 「俺はそんなに綺麗な人間じゃないよっ…」  志月の声が喉で詰まる。暁の腕を掴む指に力がこもる。  人殺しの自分。  母さんにも先生にも叫べなかった自分。

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