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4th Crime 21

 暁が止めた手を、志月が「ううん」と首を横に振って掴んだ。 「俺…身体汚いから。アザが沢山あって…」  その言葉に暁が辛そうに目を細めた。 「俺が消してやるよ志月。大丈夫」  暁の言葉に、不安を湛えていた志月の表情が少し和らいだ。小さく頷く。  暁が志月に口付けながらゆっくりその身体を横たえる。月明かりだけが照らす志月の髪に、頬に、首筋にキスを降らせながらシャツのボタンを外していく。  全身が心臓になったのかと思うほどの鼓動の高まりを志月が感じる。さよならの絶望と、暁に触れられている幸福が入り混じって、思考が上手く働かない。 「あっ…」  ベルトを外され、ズボンに手がかけられ、それを下ろされるのだと思った時、恥ずかしさで反射的に志月が暁の手を押さえた。 「…全部見せて志月」  今まで聞いたことのない熱を帯びた暁の声に、志月は自分の腰の辺りで疼くものを感じる。恥ずかしくてたまらなかったが、小さく頷いて、暁の手を押さえていた自分の両手を胸の前で組み、目を伏せた。  静かな部屋に衣擦れの音。志月の身体を隠すものが全て暁の手で奪われる。

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