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4th Crime 34
「でも証言になる!」
暁がルミを壁際に追い詰める。それでもルミは言葉を止めない。
「志月なんかっ、警察に売ってや…」
ドン!と大きな音を立てて壁が鳴った。暁がルミの顔を至近距離で覗き込む。
「…ひ」
ルミが思わず小さな悲鳴を上げるほど、暁の目が怒りに燃えていた。銜えたままの煙草がルミの顔に付きそうで、ルミが竦む。
「いいか、それは志月じゃねえ。お前その事これから先口にしたら」
志月が煙草を指で挟んで取る。煙がルミの顔に広がる。
「殺すぞ?」
身体の芯まで凍るような声。
震えの止まらなくなったルミが、その場にへたり込んだ。
『警察は犯人を特定しました』
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