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5th Crime 6

「…暁?」  地面に伏したまま困惑した表情で自分の名前を呼ぶ志月に、暁は冷ややかな目を向ける。 「あのオヤジ殺った時に指輪失くしてさあ!」  周りに聞こえるような大きな声で暁ががなる。 「気に入ってたから、この気の弱そうな奴脅して、同じもん盗ってこいっつったんだよな!」  銀に光る手錠が志月の目の前で露になっている。志月は食い入るように拘束されたその両手を見つめる。  昨日の夜、自分を愛した両手。  いつも優しく頬を包んでくれた両手。  警官が暁の両腕を掴んで引っ張った。別の警官が志月を抱えるように起こした。唇が切れて赤く染まっている。 「おっせえんだよ、使えねえなお前!」  志月の目から涙が溢れる。 「まあ仕方ねえよな!お前みたいな優等生、この街とは何の関係もねえんだから!」 「こら!やめないか!」 「何の関係もねえんだからさ!」

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