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5th Crime 10

「いつも通りクスリでベロベロだったから、あたしはあいつの言葉なんか気に留めなかった…でもあいつ言ってた」  ルミが一呼吸置く。 「『オヤジに止めを刺してやった』…て」  志月が息を飲む。 「暁は…暁はそれ…」  擦れる声で志月がルミに問う。ルミの目から落ちた涙がコンクリートに幾つものシミを作る。 「あたしは志月のせいにしたかった…でも、暁が捕まる間際にちゃんと伝えた」 「じゃあ何で暁は…」 「茂をこの街から追い出したのは自分だし、それに…」  ルミが手の甲で涙を拭う。それでも溢れてきて何度も顔を擦った。 「自分は沢山悪いことしてきたから、精算して来るって…出来るだけ償うって」  志月、とルミが呼ぶ。 「未来にあんたと一緒にいたいからって」  ルミの言葉を聞いて、志月の目の奥で微笑む暁が見えた。 「うっ…うう…」  もう言葉にならなくて、志月は地面に伏せるようにして泣いた。  悲しみなんて優しい言葉ではない、慟哭。 「あ…かつきっ…あかつきっ…」  狂ったように愛する人の名前を呼び続ける。

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