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エピローグ 2

「ねえ母さん」 「なあに?」 「罪はどんな形にしろ償うべきでしょうか?」  突然、脈絡のない志月の問いに母がぽかんとした顔で志月を見返す。 「そ、そうね」  教科書にはそう載っているだろう。親はそう教えるだろう。当然か、という表情で志月がまた微笑んだ。 「俺、母さんのこと好きだよ」 「どうしたの志月、嬉しいけど」  照れたように屈託なく笑うその表情は、数年前までとは別人で、志月はそこに年月の流れを感じた。 「じゃあね」  スーツケースを引いて玄関を出る。門扉を後ろ手で閉めると、もう一度も振り向かなかった。  母さんのことは好きだよ。でも、ごめんなさい。心の中で志月が呟く。  俺は今日を最後に戻らないけど、それは、あの頃俺を殴り続けた自分への罰だと思ってください。  ***

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