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エピローグ 3

 その日は快晴で、空には太陽以外の何もなかった。  刑期を終えて、暁は刑務所の門の前で大きく深呼吸をした。  殺人の疑いはルミの上手い証言もあって晴れたが、それ以外の沢山の罪を償いなさいと判決で言われ、暁は素直にそれに従った。  クスリの運び屋や詐欺の金を受け取る役目の連中は腐る程居て、それは末端過ぎて売人や中心人物には結び付くことはなく、暁がヤバイ連中に追われるということもなかった。あの街ではきっと、暁の代わりがまた一人増えている、その程度なのだろう。  だけど自分の罪が無くなる訳ではない、でも、改めないよりはずっといい。 「これからどうしようかなあ」  空を見上げたまま、暁が一人呟く。  目を閉じるとふわりと心地よい風。その優しい空気が、あの頃の大事な人を思い出させた。  塀の中で居た日々、一番辛かったのは志月に会えないことだった。もちろんそこから出たからと言って、すぐに会いに行ける人間になっているかは分からなかった。

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