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第6話 おいしくなった狼/味見をする狩人
「ちょっとのぼせちゃったかな。はい、お水。飲める?」
風呂では体中があわあわになって、あちこちをサワサワされた。途中で「大事なところだから」ってお尻の中まで洗われた。そんなところを洗うなんて知らなかったから、びっくりしてちょびっと泣きそうになった。
(泣きそうになったとか、絶対に秘密だけどな!)
だって、風呂でそんなところも洗うなんて誰も教えてくれなかったから本当に知らなかったんだ。
(……もしかして、大人になったらみんな洗うのか?)
川でザブザブ洗うのだって、みんなを見てなんとなく覚えたことだし、本当はどこまで洗うのかなんて知らない。だけど、川で見た奴らは誰もそんなところまで洗ってなかったと思う。でもはっきり見たわけじゃないから、本当は洗っていたのかもしれない。
(それとも、人だから洗うとか……?)
そうだ、そうかもしれない。ミチカは人だから、オレのことも人と同じように洗ってくれたのかもしれないんだ。それに甘い匂いの石鹸とかオレの周りで使ってる奴はいないし、やっぱり人みたいに洗ってくれたってことなんだな。
(……あ、大兄ちゃんのつがいは、花みたいないい匂いの石鹸、使ってたっけ)
大兄ちゃんのつがいは遠くの群れから来たって言っていた。じゃあ、よその群れの狼はいい匂いの石鹸で洗うってことか。それなら、お尻の中を洗う狼がいてもおかしくないってことになるけど……。うーん、オレにはわからないことばっかりだ。
(ミチカに、もっといろんなこと教えてもらわないと)
ミチカは何でも知っていて、オレにいろんなことを教えてくれる。肉の焼き方もうまいリンゴの見分け方も教えてくれたし、スープの作り方も、いろんなパンの食べ方だって教えてくれた。
それに、うまいご飯も作ってくれる。オレが食べてみたいって言ったらニコニコ笑って何でも作ってくれる。オレのために、ふわふわの服とかきれいなガラスのコップとかも用意してくれた。
(……なんか、大兄ちゃんがつがいにするみたいだ)
そう思ったら、急に顔が熱くなってきた。ミチカは人だからつがいとか関係ないのに、オレってば何を考えているんだ。
「顔、まだ少し赤いね。お水、もう少し飲む?」
「ん、もう平気」
平気だって言ったのに、ミチカは「本当に?」って言いながらおでこに大きな手を当てきた。
……なんだか、つがいと一緒にいるときの大兄ちゃんみたいだ。いつもは強くてちょっと怖い大兄ちゃんだけど、つがいと一緒にいるときはミチカみたいにすっげぇ優しいんだ。
でも、ミチカは狼じゃないからつがいのことなんて知らないはずだ。それなのに、こんなふうにいろいろしてくれるなんて……やっぱり、つがいにするみたいだって思ってしまう。
ミチカは人で狩人だけど、オレにすごく優しい。ナツヤたちみたいにチビとかビビりとか言わないし、親父や兄貴たちみたいにうるさく怒ったりもしない。いっつもニコニコしていて、いっつもオレに優しくしてくれる。
それに、チビでヒョロヒョロのオレを見ても「きれい」って言ってくれた。
「……っ」
ぶわって、また顔が熱くなってきた。なんだか体もちょっと熱い。それに、あのしゅわしゅわなリンゴを飲んだときみたいに、また頭がふわふわしてきた。
「シュウ、ちょっと目がウルウルしてきたね」
「ぅえ?」
「ほっぺたも赤いし、……ほんの少しだけど、リンゴの匂いもしてるかな」
リンゴの匂い? それって、オレがリンゴ臭いってこと? ……腕とかクンクンしてみたけど、石鹸の甘い匂いしかしないぞ?
「オレ、リンゴみたい?」
リンゴの匂い、する?
「そうだね。魔女の祝福をたっぷり受けたリンゴが熟したような、おいしそうな甘い匂いがするよ」
魔女の祝福のリンゴって、庭のリンゴのことだよな。ミチカが庭のリンゴは特別な祝福のリンゴだって言っていたけど、たしかにすっげぇうまい。森にもたくさんのリンゴの木があるけど、この庭のリンゴみたいに全部が甘いリンゴなんて一個もなかった。
それに、すっげぇいい匂いがするんだ。甘くていい匂いで、オレはミチカの庭のリンゴが一番好きだ。
「庭のリンゴ、うまいよな」
「そうだね、甘くておいしいね」
甘くてうまい魔女のリンゴが、オレは大好きだ。……あれ? ってことは、リンゴの匂いがするオレも、甘いってこと?
「オレ、あまい?」
リンゴみたいに甘くてうまいってことか?
「オレ、うまい?」
そう言ってミチカを見たら、なんだかいつもと違う顔に見えた。
(……そうだ、メガネをしてないからだ)
ミチカはいつもメガネをしている。メガネをしていない顔を見たのは初めてだ。そういえば、さっきの風呂のときもしていなかったっけ。ムキムキの体が気になって、顔はあんまり見ていなかったけど。
メガネをしていないミチカの顔をじっと見る。ミチカの目はオレの緑色と違って暖かそうな茶色をしていて、ミチカの栗色の髪の毛よりも濃い色だ。……でも、いまはちょびっとだけキラキラ光っているように見えた。
「ミチカ……?」
いつもと違って見えるのは、やっぱりメガネをしていないからかな。……違う、メガネをしていないからじゃない。いまのミチカの目は、つがいを見ている大兄ちゃんにそっくりなんだ。
そういうときの大兄ちゃんの目は、まるで兎を狙っているときみたいな怖い感じがする。その目とミチカの目が、何だか似ているような気がした。大兄ちゃんのほうがもっと黒っぽい濃い茶色だけど、雰囲気がそっくりなんだ。
大兄ちゃんのつがいは、そんな目で見られるのがいいんだって言っていた。聞いたときは変な奴だなって思ったけど、大兄ちゃんみたいな目のミチカを見ていたら、その意味がほんの少しわかった気がした。
こんな目で見られたら、お腹の奥が変な感じになって心臓がバクバクする。だけど、なんだかすごくうれしくなってソワソワもする。
「シュウはリンゴそのものだよ。甘くておいしい特別なリンゴだ。だから、僕はシュウをすごく食べたい」
ミチカに「食べたい」って言われて、また体が熱くなった。
なんだろ、これ。網の上で焼かれている肉みたいに、体の中からジュワジュワって汁がこぼれそうな感じだ。オレは肉じゃないのに、うまそうな汁があふれてきそうな変な感じがするんだ。
「甘くていい匂いがするね」
ミチカがオレのことをクンクン匂い始めた。
……そっか、いまのオレはリンゴなんだ。肉じゃなくて魔女のリンゴだ。甘くてうまいリンゴなら、ミチカが食べたくなってもしょうがないよな。
だって、魔女のリンゴは我慢できないくらい甘くてうまいんだ。オレなんか、これまで食べてきたリンゴの何倍も庭のリンゴを食べたと思う。
そんな庭のリンゴみたいにオレがなっているなら、ミチカが食べたいって思うのもよくわかる。だって、うまいリンゴがあったら我慢できないし、食べたくなるのも当然だろ?
「オレ、うまいの?」
庭のリンゴみたいにうまい? そう訊いたら、ミチカがニッコリ笑って「シュウが一番おいしいよ」って言った。
「ふひゃっ!」
「こんなに小さいのに、ツンと立っちゃってかわいいなぁ」
「ぅあ、」
「撫でられるよりも摘まれるほうが気持ちいいみたいだね」
「んぅ!」
ベッドに寝っ転がったまま、またミチカの指に乳首をギュッてされた。そうされたら、胸だけじゃなくてお腹もビリビリするから変なんだ。
「シュウはどこもかしこも敏感だなぁ。これは教え甲斐がありそうだ」
“おしえがい”って何って聞こうとしたけど、今度はちんちんをキュッて握られて「ぁう!」って変な声しか出なかった。
「人型になると、ここも人と同じ形になるんだね。……それに、体に見合うかわいい大きさだし、皮も被ってるし」
「ミチカ、そこ、やだぁ、」
「はは、シュウはかわいいなぁ。…………もしかして、精通してないってことはないよな。ねぇシュウ、精通……って言ってもわからないか。ええと、子種は出るんだよね?」
「ぅえ……? 白いやつ、なら、出るけど、」
「そっか、よかった。大人なんだから大丈夫だとは思ったけど、人と狼はいろいろ違うし、一応、念のためにね」
ミチカが「よかった」って言いながら、ちんちんをクニクニいじっている。
ちんちんをいじるとお腹が変なふうにジンジンするから、オレは好きじゃなかった。ナツヤたちには「大人のくせに、どうせ大して出ないんだろ? おまえチビだしな」って笑われたけど、大人かどうかなんて関係ないじゃんか。
そりゃあ、いじってもすぐにヒリヒリして痛くなるから、いじりたくなかったけどさ。でも子種はちゃんと出るし、別にいつも出さなくたって何ともないからいいんだ。それなのに、たまにしか出さないのを「チビだからだ」とか言いやがって、本当にナツヤたちっていじわるだよな!
「ぅえ!?」
ナツヤたちに笑われたことを思い出していたら、急にちんちんがヌルヌルしたのに当たってびっくりした。どうしたんだろうと思って、ぱっかり開いた自分の足の間を見たら……、ミチカがオレの、オレのちんちんを、口に……。
「ミ、ミチカ、ぅあ!」
まるで食べ物みたいに、オレのちんちんをミチカがモグモグしていた。時々チュウッて吸って、またモグモグして、口の中で先っぽをベロベロしたりもする。
……うあっ、なんだこれ。ちんちん、変、やだ、変だ、なんか変だ! 痛くはないけど、変になる!
「ミチカ、やだ、変、ちんちん、変だから、食べたらダメ、だって」
「ん、んぅ、んー、ん、」
「ぅあ! ミチカ、モグモグ、しな、でぇ」
ダメだって言ったのに、ミチカはずっとモグモグしたりチュウチュウ吸ったりした。
オレは慌ててミチカの口からちんちんを出そうとした。ベッドをずり上がって体を離そうとしたのに、足に力が入らなくてうまく動けない。しかも動いた分だけミチカがチュウッて吸うから、ますます変になってきた。
うぁ、ダメだ、ちんちんがなんかビリビリしてきた。それにお腹がジワッとしてきて、……これ、絶対にやばいやつだ。
ミチカ、ちんちん出して、早く出して! じゃないと、出る、出るから、早く口から出してってば……っ!
「~~~~……!」
で、出ちゃった……。ミチカの口に、出しちゃった……。足をバタバタさせたけど、間に合わなかった。自分でいじってもこんなに早く出たりしないのに、すっげぇ早く出た気がする……。
「んー、ん。はは、シュウのうっすいなぁ。それに量も少ないし、これ、精通してるって言っていいのかなぁ」
「ミチカ……」
「あー、泣かないで。大丈夫、大人ならみんな出るものだから」
「……でも、だって、」
出るのはわかっているけど、でも、誰かの口に出したりはしない。それに……。
「子種、飲んだりしたらダメだと思う……」
「僕が味見したかったんだ。うん、小さくてかわいいけど、ちゃんと勃つし出るものも出るし、これからが楽しみだ。ごちそうさま」
ごちそうさまって、……ミチカはちょっと変かもしれない。出してぼんやりした頭でも、そう思った。
「これなら玉も一緒にしゃぶれそうだなぁ。うん、今度やってみよう」
……よくわからないけど、とんでもないことを言われた気がする。
「さて、味見で終わる予定だったんだけど、……かわいい穴が一生懸命ヒクヒクしてるのを見たら、もう少し食べてもいいかなって思えてきたんだよね」
「ミチカ……?」
「一応、潤滑剤も用意してるから大丈夫だとは思うけど……。それにリンゴの効果も出てるみたいだし、大丈夫かな」
リンゴ……? そうだった、いまのオレはリンゴみたいで、だから甘くておいしくて、それでミチカがオレを食べるって話になったんだっけ。
(あれ……? ミチカに食べられるって思ったら、体、また熱くなってきたや)
体っていうより、お腹がジンジンしてきた気がする。
「シュウは、僕に食べられたい?」
オレをのぞき込むように見ているミチカの目は、やっぱり大兄ちゃんに似ていると思った。ううん、大兄ちゃんよりキラキラしているし、暖かい茶色の目を見たら、どうしてか「食べてほしい」って思ってしまった。
だって、熱くなった体を治すには、ミチカに食べてもらわないといけないんだって思ったんだ。ちょびっと怖い気もするけど、でもちんちんを食べられても痛くなかったし、逆にすっげぇ気持ちよかったから大丈夫だ。そりゃあちょっとは、……けっこうびっくりしたけど、全然嫌じゃなかった。
じゃあ、もう全部食べてもらってもいいような気がする。……ううん、そうしないと体も頭も治らない気がした。
「シュウ?」
「……あの、オレ、うまいかわかんないけど、……ミチカに、食べてほしい」
そう返事をしたら、ミチカに口をパクッて食べられた。そのまま顔のあちこちをチュウチュウ吸われて、それから乳首をカリカリ噛まれた。
体中をチュウチュウされたからか、段々と頭がぼんやりしてきた。ボーッと天井を見ていたら、リンゴの匂いがするヌルヌルしたやつをお尻にたくさん塗られた。ミチカは「おいしくするためのものだよ」って言ったけど、どうしてかミチカの長い指で奥のほうにもヌルヌルをたくさん塗られた。
しばらくしたら、中がジンジンじわじわしてきて、それからムズムズしてきた。もっと中にヌルヌルを塗ってほしくなって、勝手にお尻がグイグイ動いてしまった。
それを見たミチカは、「シュウはほんとかわいいなぁ」って言って、またチュウチュウ口を吸ってきた。
(……そういや、口をチュウチュウされたの、ミチカが初めてだ……)
初めてだったけど、なんだかすごく気持ちがいい。オレはもっとチュウチュウしてほしくて、口をむにゅっと突き出した。
▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽
本当にシュウはかわいい。意味なんてわかっていないんだとしても、自分から「オレ、うまいの?」なんて聞いたりして、僕にどうされたいんだろう。
最初はキスをして、ついでにあちこち触って、最後に健気に勃起した性器を手で抜いてあげるくらいしか考えていなかった。それなのにあんまり素直な反応をしてくれるから、気がついたらかわいい性器をペロッと食べていた。僕の口の中でピクピクするのがかわいくて、つい根本までしっかりがっつり食べてしまった。
細くて頼りない腰を必死にカクカク動かしているのがかわいかった。せっかくだから本格的に味見しようと思って射精を促したけれど、あれは子種っていうより量の多い先走りと言ったほうが正しい気がする。
個体差や体格も関係していそうだし、そのうち大人の精液も出るようになるに違いない。その初めてを僕がいただくのも悪くない。
で、僕は少し欲をかいた。もう少し、そう、僕を受け入れてくれるところを触りたい、なんて思ってしまった。
シュウにはちゃんと許可をもらった。理解できていなかったとは思うけれど、無理やりじゃない。それに、返事をしたときのシュウは発情した顔をしていた。体からも匂い立つような温度を感じた。「じゃあ、いいよね」と思ったのは僕の思い込みじゃないはずだ。
それにしても、さすがは“魔女の祝福を受けたリンゴ”だ。本当に人と狼を繋げることができるらしい、なんて思わず感心してしまった。
本来、人と獣は交じりあえない。それは当然だ。そもそも人と獣は違う種族なんだから、交わるなんてあってはならない。
それなのに白き狼は諦めなかったんだから、すごいとしか言いようがなかった。ひと目見て恋焦がれた姫と結ばれたい一心で、魔女に願った。――“あの姫とつがいになりたい”と。
魔女は狼に一つのリンゴを与えた。「これをおまえと姫が食べれば、人と狼であっても交わることができるだろう」という助言を添えて。
こうして白き狼はリンゴを食べて人型になり、姫はリンゴの香りに惹かれて狼に発情するようになった。狼とつがいになった姫はたくさんの人の子と狼の子を生み、狼の子たちはみんな人型になることができた。
これがこの国と森に伝わる“魔女の祝福を受けたリンゴ”の物語だ。
「でも、やっぱり祝福っていうより呪いみたいじゃないかなぁ」
僕の下で真っ赤な顔をしながらハクハクと必死に息をしているシュウを見て、そんなことを思った。
だって、いまだに魔女のリンゴがあるせいで人は狼のつがいにされてしまうし、狼だって人と交わることができてしまう。リンゴのことを知っている狩人組合や巡回グループの狼は、いろんなことを承知したうえでリンゴを使う。
そんなふうに種族の交わりをねじ曲げ続けるなんて、やっぱり呪いっぽくないかな。それもこれも狼の執念の賜物だ。それに、人の底知れない強欲さ。
「ま、王妃と言いこれまでの女性と言い、人が強欲っていうのはよーくわかったけどね」
そして僕もまた、強欲な人の一人だ。だってこんなにかわいくて素直で元気な狼を、おいしく食べてしまおうなんて考えているんだから。
いろいろ教えないまま、僕はシュウを全部食べてしまおうと考えている。なんて悪い大人だろう。
あ、またキュウッて締まった。
体が小さいからか、男の鳴きどころも指を入れてすぐの場所に見つかった。初めて触られているはずなのに感度もいい。さすがに僕のを挿れるのはまだ無理だけど、こうしてたくさんいじってあげていれば、そのうち……そう思ったら、無意識に自分の唇を舌で舐めていた。
「ミチ、カぁ」
「あはは、ほんとシュウはかわいい」
「オレ、も、おとなだから、かわい、ちが、ってぇ」
「シュウはかわいいし、きれいだよ」
「……っ」
またキュウキュウに指を締めつけられた。……なるほど、狼は「かわいい」より「きれい」って言われるほうがいいのか。でも、僕としては「かわいい」に反応してほしいんだけどな。
「シュウはかわいいよ。誰よりもかわいいし、僕はかわいいシュウが大好きだ」
「ミチカ、」
「かわいいシュウ」
「……ッ」
真っ赤な顔にウルウルした目でじっと僕を見つめたりして、本当にかわいい。
あぁダメだ、勃起し続けている僕の息子さんがすごく痛い。うーん、でもさすがに挿れるのは……、うん、流血沙汰はダメだ。
それにシュウには、ココで快感を得られるようになってほしい。そのためにも、まずは十分感じさせてからじゃないといけない。でも、僕のはさっきから出したいとビクビクしっ放しだった。
(匂いがついちゃうけど、まぁ、それはそれで構わないか)
「シュウ、かわいい」
「……っ、ミチカ、」
中に入れっぱなしの指をクイッと曲げたら、またシュウの腰がビクビク跳ねた。尻尾もずっと小刻みに震えているし、耳もぺたりとしてぷるぷるしている。……うん、気持ちよくなってるのは間違いない。じゃあ、ほんの少し開いても大丈夫かな。
中の感触を堪能していた人差し指と中指を開いていくと、縁が一瞬キュッと締まった。それをなだめるように、ゆっくりと少しずつ開いていく。
(……あー、やばい。真っ赤な中が見えてすぐにでも挿れたくなる)
でも、ここは我慢だ。代わりにバキバキに勃起した自分のモノを掴み出して、開いたかわいい穴に先をくっつけた。
(あ、もうダメだ、これだけで気持ちいい)
そんなことを思いながら少し擦っただけで、僕のモノから勢いよく精液が吹き出した。もちろん、シュウのかわいくていやらしい穴の中目がけて。
「ひゃ、ぅ!?」
「……ふぅ、やばい、すっごく気持ちいい……」
「ぅ、うぅ、ふぅ、」
シュウの顔がかわいそうなくらい真っ赤になった。ほとんど泣いている状態で、全体的にぷるぷる震えてもいる。
(でも、嫌がってはないんだよな)
どちらかと言えば、注ぎ込まれている精液に感じている様子だ。これも祝福のリンゴのおかげなのかもしれない。
(……それじゃあ、ちょっとおもしろくない。できれば僕だから感じてほしい)
「ねぇシュウ、僕はシュウのことが好きだよ。かわいいシュウが大好きだ」
「ぅえ、」
「僕は人だけど、狼のシュウがかわいくて仕方がない」
「ぅう、」
「シュウがかわいくてかわいくて、食べちゃいたいくらい好きなんだ」
「ふぁ、すき、て」
「うん、好きだよ」
あぁ、ようやく出し切った。思っていたより結構な量が出たな。久しぶりだったから……、じゃなくて、シュウがかわいくてどうしようもなかったからだ。そうじゃなきゃ、三擦り半でこんなに出るわけがない。
「ねぇシュウ、僕とつがいになって?」
指を抜いたシュウのかわいい穴から、僕が注ぎ込んだものがピュピュッと飛び出した。少し赤くなった穴が呼吸しているみたいにパクパク動いて、そうしてギュッと窄まるから、あぁほら、また白いのがぴゅうって吹き出してしまう。
その様子を見ただけで僕の息子さんがまた大きくなったけれど、さすがに今夜はここまでだ。そう決意しながら、もう一度「好きだよ、シュウ。つがいになって」と囁きかける。
「オレ、ミチカと、つがぃ、なる……」
半分泣いているような声だったけれど、間違いなく「つがいになる」と答えてくれた。返事を聞いた瞬間、僕は間違いなく満面の笑みを浮かべただろう。
真っ赤な顔は涙と少しの鼻水でぐっしょりだったけれど、目はしっかりと僕を見ている。緑色のくりっとしたその目は意外なくらい力強くて、「あぁ、シュウも狼なんだな」なんていまさらなことを思ってしまった。
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