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第13話

「今日は本当にありがとうございました。 わざわざ家まで送ってもらってすみません。」 時刻は18時。 お昼ご飯を食べて、もう少し話もしたかったし、俺の買い物に付き合ってもらった。 そして今は俺の家の前。 昼間の事もあるし心配だからと、自分の家の前を通過してまで、わざわざ俺を家まで送ってくれた。 「奢ってもらったし、天宮さん危ない目にあいがちなので、これくらいは。」 「たまたま最近続いてただけで、そんなに危なくもないですよ?」 「気づいてないだけの可能性も。」 「……確かに。ないとは言いきれないです。」 「気をつけてください。」 「はい。ありがとうございます。」 「じゃあまた。」 「はい、また。」 階段を降りていく後ろ姿を玄関先で見送る。 「早く入ってください。鍵もしてくださいね。」 ふいに首藤さんが振り返ったと思えば、まだ玄関先で突っ立っている俺にそう言った。 「はーい。」 大人しく従って家に入り鍵を閉める。 俺が危なっかしいせいかもしれないけど、首藤さんは優しすぎる。 友達はもちろん、恋人になる人はとても幸せだと思う。 人付き合いが苦手なせいであんな噂が流れているんだろう。 けど実際は全くもって違う。塩のsの字もない。 今すぐにでも首藤さんの魅力を伝えたくて仕方ない気持ちになるくらい、素敵な人なのにな。

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