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第49話
その宣言通り、会う頻度は減り、会える時間も短くなった。
会えても一緒に昼食をとるくらい。
前の全然会ってない時期よりはマシだけど、その時とは違って、俺が首藤さんのことを好きって自覚してしまっているからタチが悪い。
まあでも、首藤さんが俺のことを好きなのは周知されてるから、会話自体はいつもと変わらない気がするけど。
「天宮さん、ご飯粒ついてますよ。」
そういって俺の服についていたご飯粒をさっと取ってくれる。
「あぁ、すみません。ありがとうございます。」
接触したの、今のが久々じゃないだろうか。
多分最後は一緒にカフェに行った日。手を繋いだきり。
そもそも大学2年と4年が付き合ってて、ハグ止まりって健全すぎる……。
今は首藤さんが大事な時期だから仕方ないけど。
「どうかしましたか?」
「いえ、なんでも。」
「本当に?最近ぼーっとしてることが多いですが、何か悩みでも?」
「本当に大丈夫です。」
「そうですか。」
悩んでてもさすがにこんなこと言えない。
首藤さんはどう思っているんだろう。
「天宮さん、今日はよくご飯粒つけてますね。」
笑いながら今度は俺の口元についていたらしいご飯粒を取ってくれる。
「……すみません。」
とりあえず今は考えるのやめよう。
せっかく首藤さんといるし、俺は何か考えてるとご飯も上手く食べられないらしいから。
「天宮さんってしっかりしてそうなのに、意外と抜けてますよね。」
「そうですか?」
「はい。
部屋の状態とか、危機管理能力ないとことか、今みたいに注意力散漫な時もあるし。」
その通り過ぎてなんも言えない。
「ご迷惑を……。すみません。」
「いえ、違うんです。
そういうところも可愛いなと思って。俺はそういうところも含めて天宮さんが好きです。」
いつでもどこでもこんなふうだから、変に不安になったりとかはないのがせめてもの救い。
「そんなこと言うから……また見られてますよ?」
「構いませんが。」
確かに俺も周りを気にしないとは言ったが、恥ずかしいものは恥ずかしい。
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