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バトル 2
「戦わなかったら殺される、という訳かよ」
キレそうになりながらキイチは言った。
「そう」
クジャクはニコニコしている。
「そして、戦わせるためにオレを改造したと」
キイチは頭を抱えながら言う。
10数メートルをキイチは跳んだ。
跳べる筋力、そしてその衝撃に耐えられる身体になってた。
改造したのだと、クジャクに軽く言われたのだ。
「とりあえず筋力の強化からしてみたんだけど」
ニコニコ言われたのだ。
とりあえずって何だ。
他にも何かするつもりか。
それに改造って。
どこの。
どこの。
特撮ヒーローだ。
「身体の特性を理解して、使いこなさないと。負けたら死ぬからね。大丈夫、俺が訓練するから!!」
胸を叩いて言うクジャク に殺意しかわかない。
だがコイツを殺したところで。
キイチには全く意味がないのも理解した。
「俺を殺してもバトルからは降りられないよ。相手チームの【宝石】を殺してやっと勝利になるから」
そうクジャクが言ったからだ。
「そして、君が死んだら俺も死ぬ。とりあえずはね。次のゲームまでは俺は死んでる」
そういうことらしい。
ゲームのプレイヤーは二人一組。
オフェンスと呼ばれる元人間の【宝石】が戦いを、ディフェンスと呼ばれる元々【無機物】だった化けモノたちが指揮をする。
そういう戦いなのだ。
ディフェンスの指令の元に、宝石達は殺し合うのだ。
宝石が死ねば、そのパートナーの無機物も自動的に死ぬ。
それを最後の1人になるまで繰り返す。
宝石達を【改造】し、【訓練】して、ゲームを勝ち抜くのはマスターである【無機物】達の腕の見せ所なのだ。
まあ、人間を改造して行う〇ケモンみたいなモノだ。
非常に不愉快だが。
不愉快?いや、殺意しかない。
刺し違えたい気持ちもあるので、もう死んでいいからこいつを殺したいとも思うけれど、だがどうせクジャクはまた生き返るのだと思うと、それもできない。
それにせっかく生き返ったのにそういうので死ぬのもどうにも。
とにかく。
殺しにやってくる相手を殺す。
その覚悟を決めなければならないのだ。
最悪すぎた。
「言いたくないけど、俺はパートナーを探すのに時間がかかってしまってね、出遅れてるんた。早く訓練や改造を進めないと俺たちの負けは確定になる。早く決心してね」
クジャクが言いにくそうに言うのが余計にイライラさせられる。
だか。
確かに
確かに。
決心は必要だった。
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