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バトル 4

「酷い・・・」 クジャクがしくしく泣く。 「何しやがる、このボケェ!!」 キイチは怒鳴る。 毛を逆立てて猫のように怒る。 トパーズの目がキラキラ光る。 それをクジャクが痛みに泣きながらも、うっとり見ているのも気付かない。 「なんて可愛い」なんて呟いているのを聞かれなかったのはクジャク的には良かったのかもしれない。 とにかくキイチは怒っていた。 セクハラである。当然だ。 許すまじ。 「何ってコミュニケーションじゃないか。俺たちは一蓮托生、運命共同体、そう、お互い運命の人なんだから!!」 クジャクが床に転がったまま、痛みに泣きながら言う。 肋を押さえて痛いよぅと呻くクジャクはあまりに手応えが無さすぎた。 クジャクの見た目は見事な肉体を持ってるのに弱い、弱すぎる。 少しは反撃があると思っていたキイチは拍子抜けするか、それで許すわけじゃない。 「何が運命だ!!オレに触んじゃねぇ!!」 そこはキッパリ言っておく。 キイチは男に興味はない。 背の高いカッコイイ女の子が大好きだ。 残念ながらフラレてばかりで彼女がいた事はないが、少なくともこんなデカい男を性の対象にしたことはない。 全く興味がない。 1ミリもだ。 そして、例え興味があったとしても、セクハラなんかを許すわけが無いだろうが馬鹿野郎。 「オレは男に興味はない。そういう風に近寄るな」 クジャクがそういう風に自分に興味があるのならそこはそういう風に言っておく必要がある。 納得してないし許すつもりはないがそれでもクジャクからの情報は必要なのだから、しばらくは離れるわけにはいかないのだし。 クジャクは不思議そうな顔をした。 なんでだ。 なんでだ。 なんでコイツは納得してないんだ。 納得しないクジャクにキイチが納得いかない。 「そんな、今更」 クジャクの言葉に耳を疑う 何言ってんだコイツ。 今更も何も。 「だってもう俺と君は繋がったじゃない」 クジャクの発言に驚いてポカンとキイチは口を開けた。 開けすぎて顎がはずれるかと思った。 「はあ?!」 キイチはキレながら言う。 そんな冤罪を着せられるとは思わなかった。 コイツの妄想の中でのことを・・・ やはりコイツはイカレて・・・ 「だって君を生き返らすために俺は君を抱いたんだよ。何回も君の中に出したし、呼吸を取り戻してからはめちくちゃ君は可愛かった。何回も何回も君はイってたし・・・」 クジャクはうっとり何かを思い出すように言っていて、その言葉の意味を理解するのにキイチはしばらくかかり、理解してからも、それを受け入れることが出来なかった。 「覚えてないの?泣きながら気持ちいいって言って、イってたじゃない」 クジャクは嬉しそうに言う。 キイチは全ての機能を停止していた。 呼吸や思考、色んなことを復活させるまで数十秒かかった。 そしてキイチはガクガク震えていた。 なんてことだ。 なんてことだ。 やっとキイチは理解した。 「死ねぇ!!!」 キイチは心の中の叫びをそのまま口にした。 口にすると同時に身体が動いていた。 そしてキイチは迷わず床に座ってニヤニヤしているクジャクの頭に跳び蹴りを入れていた。 許せなかったからだ。 この男は死んだキイチの死体をレイプして、そうすることでキイチを生き返らせていたのだ。 ボキッ 嫌な音がして、クジャクの首がありえない方向に折れ曲がり、その上吹き飛び壁に叩きつけられた。 壁にクジャクかめり込んだ。 「殺す!!」 キイチは怒鳴ったが、もうクジャクは死んでる、はずだった。 何せ首が反対に折れ曲がっているのだから。 だが、死体をレイプされた当本人として、全くキイチは罪悪感を覚えなかった。 知らない間に、童貞だけど非処女にされていたのだ。 同意のないままに。 同意なく生き返らせられていたのは、まあ、感謝しているともいえないものもあったけれど、レイプされていたのは許せない。 死体であってもだ。 殺してしまった。 だが全く後悔がない。 むしろ清々しいくらいだったが、それでもキイチは激怒していた。 「オレの・・・オレの・・・処女を返せ!!!」 まさかそんなことを言う日が来るともキイチは思っていなかった。 「そんなことを言われても・・・返せるもんでもないじゃない」 クジャクが言った。 背中に折れ曲がった首のまま。 普通なら即死だが、死んでなかった。 キイチはたいしておどろかなかった。 そんなことだとおもっていたからだ。 コイツは化け物なのだ

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