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必死に舌を追いかける俺を、守屋は熱っぽく細めた目で見つめてくる。
突き込まれた痛みも、内臓を押し上げられる圧迫感も。
そんな目で見てくれるなら、快感に変わる――
「んっ……ほし、かった……っ」
そのあいだも、俺のなかにいる守屋は動きをとめなくて。勝手に締めつけちゃう襞をかきわけるように揺すられながら、ズブズブ奥まで挿れられて。さっき散々に指で抉られた敏感な部分を擦りあげられる。
「あっ、はぁっ……して……ほしかっ、た……っ」
指なんか比じゃない、太くてかたいのに熱くて甘い――守屋のもので。上も下も、なかまで……トロトロにされて。
嘘なんてつける余裕も、義務も、自責も、どこかに消えた。擦られる奥から生まれる熱と甘ったるい疼きだけが、俺のくちびるを動かしている。
「素直ですね、辻元先輩っ……」
すこし息をつまらせてはいるけど、守屋は口許に笑みを浮かべてそんなことを言ってくる。
俺のなかを突くと気持ちがいいのか、ときどきこらえるように睫毛を伏せて。それでも足りないのか、奪うようにくちびるを重ねてくる。
そのぜんぶに、俺の感覚はとろけていく――
「あ、っ……ン……だ、って……」
「だって……なんですか?」
「ひ、んッ――ァ……は、やくっ……しな、いでっ」
気遣うように緩慢だった腰の動きが、奥の一点だけを突くようにはやくなる。
追いつけない刺激がこわくて、ぬるつく粘膜が守屋をとめようとからみつく。でも引き剥がされる。懸命にまた、からみついちゃう……
絶え間ない快感で、胸が押し潰されそう。体の奥底からきゅうきゅう、締めつけられる。
息ができないくらい苦しいのに。この泣きたい衝動も抱きつきたい衝動も、ぜんぶぜんぶ……気持ちいい――
「だって、の先……は? 言わないんですか?」
「あ、ンぁ、あっ……だ、め……ゆっくり、もっ……だめぇ……っ」
またゆるく、トントンつつくような動きに戻される。気持ちいいところだけをゆっくりやさしく狙われて、あえぎの中に泣き声が混じる。
ヨすぎて、それがつらいのに気持ちよくて……頭も体も『それだけ』に、なりそうで。
わけのわからないままに、涙があふれてくる。
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