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 帰ってきても「ただいま」と抱きつかれたけど、一番ビビったのは、夕食のために食堂へ向かう廊下で手をつながれたこと、で。  こいつは本当に守屋なのか!? ――と、こわすぎてされるがままにしていたけど。なにかの布石なのか、気紛れなのか。はたまた、新手の意地悪なのか……でも―― 「真尋さん……」 「ひっ、ぁ……やめっ」  耳朶をくちびるで食まれて、舌まで入れてくすぐられて。 「う、んっ……ま、たっ、そ……ンな、さわりかた……んンっ」  あげく、ダメ押しのように胸までやんわりなぞられて。  いつもとはまるでちがう『やさしい守屋』に、俺がすでにほだされているのも事実。 「あっ、あっ……やっ……や、だっ」  いよいよシャツの下に潜り込んできた指に、両方の胸をつつかれる。指の腹で掠めるように撫でられて、敏感に尖った先をふいに、きゅっと摘ままれる。  ちりちり、むずがゆい刺激に背中が震える。腰がよじれて、守屋に擦りつける格好になっていく。  俺がビクつくたびに、押しつけるように耳にあてられたくちびるが笑うから、そんなかすかな吐息にも逐一反応してしまう。  いろんなところが熱っぽくなって、むず痒さはいつのまにか甘ったるい刺激に変わって、じくじくとけて……胸の奥から苦しくなる。 「真尋さん、耳……すきでしょ?」 「んっ……あっ、す……すきだから、ダメ……っ」  舌で耳の中をくすぐられると本当に気持ちがよくて。そんな、支離滅裂なことしか返せなくなる。  逃げようと反らせていたはずの背中は骨がなくなったみたいにやわらかくなって、まだもっと尖らせようとなぞってくる指に、勝手に胸が寄っていく。 「真尋さんが気持ちイイこと……したいんです」  それにつけ込んで、守屋は甘やかすような言葉を吹き込むから、その吐息と熱に、恥ずかしさより抱きつきたい欲求のほうが募って泣きたくなる。  俺の心臓を締めつけて殺す気か、こいつは……!  そうは恨めしく思っても――慣れないやさしい声と手つきは、俺をじわじわ攻めつづけている。

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