40 / 171
2_8
もう、あと一回でも扱かれたらイキそうではあるけど。与えられる刺激と熱を帯びるやさしさは、俺の口を割らせるには十分すぎる。
「い、イカせて……誓っ」
「……存分にどうぞ」
満足げに微笑んだと思ったつぎには、守屋にくちびるをふさがれていた。継ぐ息の合間さえ、ゆるしてもらえないほど深く。いままでの軽いキスがウソみたいに、強引な舌にむさぼられる。
「ん、ふ……っ――んっ! んっ! ひ、あ!」
からめとられるだけで、意識は精一杯なのに。『存分に』という言葉をそのまま実行する守屋は、なぞるだけだった両手の動きもはやめてくる。
「んっ……や、ぁっ……いっしょ、に……した、らっ」
触れられるだけでも痺れる胸をはじかれて、指の腹でも擦って潰されて。刺激がイキたい衝動に直結する。
その下でトロトロ先走りをこぼしつづけて、痛いくらい勃ちあがってるところも容赦なく扱かれる。
守屋はキスをやめてくれないから、抗議も喘ぎもぜんぶとけて、気持ちよさだけが身体をめぐる。
「んっ、ぁンっ……ダメっ……ひっ! だ、め……っ」
「……本当にダメ? 泣くほど気持ちイイのに? もうイキそうなのに?」
見透かされている拒絶をあやされて、あげく図星までさされて……やさしく誘導されている恥ずかしさが涙と快感を煽る。その囁きに身体は正直にとろけていく。
「だめじゃ、ないっ……ン、気持ちぃ……イク、もぉっ」
「見せて、真尋さん……可愛くイクところ」
擦り寄るように、くちびるが頬に落ちてくる。やさしい声とは裏腹に胸も下もいじられて。『可愛く』なんて言葉に、じわっと熱と涙を誘発されながら、
「ふ、あっ……イクッ、いっ……く、ぅン!――んっ!」
ビクビク腰を震わせて、後ろに伸ばした手で守屋に抱きついて。促すように搾り出す守屋の手に、吐き出した。
まだ腰が震えるのを我慢しながら、乱れた息を落ち着かせる。
ふいに守屋はおかしそうに笑い声を漏らした。
ともだちにシェアしよう!