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「このほうが気持ちいいでしょ?……ほら、全然はなしてくれないし……」
「あっ、や、んンっ……ゆ、ゆっくり……っ抜か、な……いで」
「スゲー吸いつき……でも奥のほうがいい?」
「ンっ……ん、ンっ……だめ……こすっ……ちゃ、だめっ」
「ね?……ぬるぬるしてたほうがイイでしょ?」
変にぬめるヤラシしい指と、完全に籠絡しようとしている耳許の囁きに、俺のなけなしの理性はいまにも飛びそう……
腰からじわじわ這いあがってくる甘いむずがゆさが、余計に粘膜をひくつかせて。
「んあっ……いいっ……きもち、ぃ……っ」
だらしなく勝手に開くのに、かきまわす指を誘いこむように締めつけているのが、自分でもわかる。
「……ここいじられるの、好き?」
「あ、ぁっ……す、き……っ、そこ……ン、すき……っ」
「俺は……素直な真尋さんがすきですよ」
「んっ……――え?」
ふいに、真面目につぶやかれるからすこし理性が戻ってくる。
肩口から仰げば、片手をついて見おろしてくる守屋と目が合った。
伏せられた睫毛はあいかわらず色っぽいし、じっと見つめてくる視線に熱も感じるけど。
「真尋さんは……やさしい俺のほうがすきですか?」
眉を寄せる守屋は、どこか不安げな顔……に、見えなくもない。
そんなスネた子供みたいな顔、はじめて見た。
守屋が朝から変だった理由と『趣向を変える』なんて言い出した心意が、なんとなく……わかったような気がする。
だから――
「……どっち、もすき」
だから……そんな柄にもく泣きそうな顔、しないでほしい。
「俺は、誓ならなんでも……すき、だよ」
そんなのはじめから知っているクセに。言わせるなんて、やっぱり守屋は意地が悪い。
「……真尋さん、どんだけ俺のことすきなんですか」
「なっ、調子のんなよ……っ」
さっきまでのしおらしさは一瞬でおわったのか、守屋はくつくつ笑い出した。
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