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予想外にはやく、いつもどおりの反応を返されて、振り切ったはずの恥ずかしさがこみあげる。
ベッドに突っ伏して顔を隠すと、それを追うようにのしかかってきた守屋にぎゅっと抱きしめられた。
なにこの甘えん坊……いとしすぎる。
「真尋さん……挿れていいですか?」
「そんなこと……んっ」
言いおわる前に、さっさとくちびるを奪われた。
守屋は軽く息をつくと、俺の膝を左右に開かせる。突き出すようにしている尻のあいだに、硬いものがあたった。
「えっ、ま、待って……っ」
「ダメ、待ちません」
「あっ、ちょっ……ちが、待ってやだ、後ろからじゃ、なくて……っ」
振り返って、守屋の腕をつかむ。振り返る体勢は苦しくて息がつまるけど、必死に守屋を見あげた。
もし本当に、今日の守屋が意地悪じゃないなら――
「ま……前から、して? ぎゅって……してっ」
はじめてした時みたいにしてほしい……なんて、乙女思考も大概だけど。不安になったら初心に戻るのも悪くないはずだ、なんて自分に言い訳する。
「……おねだりが上手ですね、いつ覚えたんですか?」
「おまっ……もう黙れっ」
あのときの守屋みたいに、今度は俺がふさいで黙らせる。
一瞬だけ守屋は驚いたけど、プレゼントを待つ子供みたいにうれしそうに……目を閉じた。
すこしずつ、いつもの意地悪な守屋になっている気がするけど。でも、あまり変わらないかな。
意地の悪いことをされても、やさしく甘やかされても……
守屋がすることなら、結局なんでも恥ずかしくて――うれしい。
ゆっくりゆっくり、でも確実に深く腰を進められながら。もっと近くにきてほしくて、背中に回した手に力を込める。
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