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物分かりがいいのは、この人の長所だ。俺がつけ入る隙をいつも存分に与えてくれる。
「やっぱり、良い子ですね……そんな良い子の真尋さんには、サービスです」
耳に痛みが残るのか、さっきよりも涙の滲んだ目が、それでも悔しそうに俺を見上げてくる。
その目つきを見ると、どうしてもいつも微笑んでしまう。いとしい気持ちも多分に含まれているはずなのに、
「動けないのとイケないの……どっちがいいですか?」
――『意地が悪そうな』と言われる笑みでは、あるんだけど。
「あっ……な、んで……っ」
これは何回目の問いかけだったかな、と目の前にある突起を舌ですくう。長い時間あれこれと俺の舌で遊ばれているそれは、痛そうなくらい立ち上がっている。
痛そうだなと思うから、そのまま口に含んで転がすようになでてやった。
「あ、ンっ……らっ、め、だって……もぉっ」
「そうですか?……ろれつが回らないほどイイんじゃないの?」
「んンっ……よ、くないっ……や、舌ぁっ……もっ、やめ、て……っ」
仰け反って俺の粘膜から離れたいんだろうが、背中で縛られている手が邪魔をして、なかなか上手くいかなさそうだ。
両親指を合わせて縛っただけ、なんだが。手首を縛られるより動きづらいらしい――のは、知っていてやった。
「……こっちはやめてって、言わなくていいの?」
からんでくる粘膜を剥がすように指を抜き出す。ギリギリ抜けそうなところで止めて、また“なか”を突く。執拗に抉ってやっているのはもちろん、わかりやすく膨らんだ前立腺のあたりだ。
「ひっ――あぅっ……ん、こ、すったらっ……だめっ」
逃げるように腰をよじっても俺の指は抜けない。どうにもならない奥の刺激に、真尋さんは泣きながら首を振った。
この嫌がり方が、すげぇかわいい。とても年上とは思えないくらい幼い仕草だから余計だ。
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