57 / 171
3_11
「でも……うそつきなのは真尋さんの方ですよ?」
「……なん、れ?」
いよいよ焦点もアヤしくなってきているが、真尋さんは訝しげな顔をする。俺は首を傾けて――たぶん“意地の悪い”なんだろうが――笑い返した。
「イキたいんじゃなくて……挿れたいんでしょ?」
「っ……それは――んんっ!」
指を引き抜くと、物足りなさからなのか腰が追いかけてくる。1時間もグリグリ突っ込まれていたら、そりゃさみしくもなる。
だから、かわりに俺のものをあてがう。ぐちゅっと、つなぎめからわかりやすくエロい音が聞こえた。
やっと与えられた、かたくて太いものに期待から顔を赤らめ、さらに涙で瞳を潤ませて、
「は、あっ……い、いれたい……っ」
真尋さんは欲求にせかされて腰を落としてくる。
「あっ、ン……これっ……はや、く……っ」
でも俺は支えてやらないから、逃げるようにすべる真尋さんのじれた粘膜は俺をのみ込めない。ただ割れ目を往復するだけで、すこしも入らない。
「ンっ、ぁ……いれ、てっ……誓っ……せ、いっ」
せつない追いかけっこに、もはや真尋さんは陥落寸前だ。
折れてあげるべきかなとも過るが、まだ俺のために理性がとけていく姿を見ていたい。
「ほら……うそつきは真尋さんだったでしょ?」
「あ、あっ……うそ、ついてない……っ」
「ダメですよ、欲張ったら。イクか挿れるか……どっちかにしないと」
「ん、ぅ……そんな、のずるい……っ」
「ずるいですよ?……“お仕置き”ですからね」
そんなやりとりのあいだも真尋さんはあきらめず、懸命に腰を揺らしつづけている。
いますぐにでも鷲掴んで挿れたいくらいなのに、縛られている手がそれを許さない。恨めしそうに自分の肩口を振り返って、あきらめる。すがるように俺を見つめてくる。
「どうしたいの?……真尋さん」
ともだちにシェアしよう!