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 口許は笑っているし、からかう口調だけど、射抜いてくる瞳は余裕がなさそうでゾクゾクする。 「あっ、だって……そんな、したらっ……い、くっ、すぐ、ぅっ!」  焦らしていたのが嘘みたいに、挿れた瞬間から激しくて。奥の奥までズンズン連打されて擦られる気持ちよさが、俺の思考も身体も埋め尽くしていく。  イキたくてヨすぎて、目の前霞んでる。でもイキたくない……まだ。 「……俺まだおわるつもりないですよ」 「んン、ぇ……ほん、と?」 「真尋さんがイッても俺がイッても、抜きませんから……我慢しないでどうぞ」 「んぅっ、はぁ……――んっ、ンっ!」  あえぎごとぜんぶ奪うように、守屋のくちびるでふさがれる。とろけそうな舌と唾液のからまりに比例する腰の速さで、イイとこばっかりグリグリされて、指をからめて手をつながれて。  腹の奥にも、ふれてる肌にもくちびるにも、守屋の体温があふれていく。  気持ちいいとか、言葉にするのも忘れるくらい。お互いを分けあっているいとしさに夢中になる。 「……すきです、真尋さん」  やっとくちびるを解放してくれたと思ったら、甘ったるいくせに、守屋は欲のちらつく目で俺を映す。  つながるところから熱もその感度も流れ込んできて、胸の底を締めつけていくし……ひたすら甘くて苦しい。 「……ん、あっ……すき、俺もっ」  満足できない欲しい気持ちが、じりじり伝播してきて。今度は俺が、守屋のくちびるを奪う番になる。  跳ね上がっている心音が恥ずかしい。けど、幸福感がハンパない。  ――求められるって、快感すぎる。  ああ、また風呂入らないといけないじゃんとか、うっすら思ってもその面倒すら幸せに感じる。  なんだかすこしがっついてる守屋もうれしいし、ほんと。なんかもう、本当にダメ。  ダメだって、そんな欲しがらないで。いまからもう……泣きそうになる。

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