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 この2歳下の妹様は、いつも俺に高圧的で理不尽な要求をする。  見た目はかわいいほう……だと思うのにな。ちょっとネコ目でほんのり童顔でふんわりボブとか、かわいいじゃん。  まあ、内弁慶というやつだから仕方ない。俺をふりまわすのはデフォルトだ。俺とちがう高校にしてくれてよかった、ほんとうに…… 「いやいや連絡と到着がほぼ一緒だったしッ」 「場所わかんないし兄貴いないし既読スルーだし! 史郎くんに迎えにきてもらったんだからね、お礼言いなよねっ」 「いやそもそも『もう着くよー』でおまえが来るって知ったから! 前もって言ってたら済んだことだろっ」 「前もって言わなくてもどーせヒマしてたでしょっ」  お互いまだまだ言い返そうと口を開きあっている横から、 「まあ、落ち着けふたりとも……ちょっと、さすがにうるせぇぞ?」  やんわり口調の低い声音で、にこやかに制される。千尋も俺も即座に口を閉じて、蓮池に向き直った。 「……ごめんね、史郎くん。あとジュースもありがとう」 「……ごめんな、蓮池。お迎えとお相手ありがとう」 「いいよ、気にすんな。俺も千尋ちゃんに会うのひさしぶりだし」  俺たち兄妹がちょっとビクつきながらも素直に従うのは、蓮池が『笑顔(のまま)で怒れる人間』なのを知っているからだ。本人に怒っているつもりがないと、まわりにはそう見える。  いつでもやさしい人って、だいたいちゃんとそれと同じ分量の黒い部分を抱えているよな……と、こういう妙な蓮池を見るたび背筋が寒くなる。 「――で、相部屋の人とはちゃんと上手くやれてる? 人見知りで口が悪いからケンカしたり嫌われたりしてない?」 「おい、なんで蓮池にきくんだよ……」  当然のように千尋は蓮池に向かって言うから思わずつぶやく。おまえは俺に会いにきたんじゃないのか! 「すーげぇ仲良いから大丈夫だよ。俺とより仲良いよな?」 「へぇっ!? い、いや!? そんなことないしっ、蓮池とのほうが付き合い長いしっ」  なんだかうれしそうな顔で同意を求められて、動揺する。

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