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しかもその推察、間違ってない。鋭すぎるけど……やっぱりバレているわけじゃなさそうだ。
友達が男とデキていたら、そんな反応するだろうか。……というか、うれしいってどういう気持ちからだよ。
「長さは関係ないだろ……俺は守屋みたいに名前呼ばれただけじゃ、辻元がなに言いたいのかなんて汲み取れないよ」
苦笑しながらもあっさりと言われるから余計に動揺する。昨夜の洗面所でのやりとりを言われているのは明らかだけど、もしかしたら他の場面も見られているんだろうか……?
最近の守屋は部屋以外でもやさしくてうれしいな! なんて思っていたけど。これはちょっと改めさせないといけない。
でも蓮池にそこまで言わせるなんて、守屋ってすごいな。
「ウソでしょ……このひねくれ兄貴を理解できる人がいるの? え、守屋さんって絶対イケメンでしょ、そうでしょ!」
「ひねくれてねえよっ、あとイケメンかは関係ないだろ!」
「イケメンっていうか、男前だよな。デカくて無口で……硬派な感じって言えばいいのか?」
たしかに守屋は17にしては大人びた顔をしているし、普段はあまりしゃべらない。蓮池の口ぶりだと、それは部活内でも変わらないらしい。
俺もそうだと思っていたけど、いやそうなのは事実だと思うけど……
悪戯っぽく細めた目許と挑発的に曲線をつくるくちびるで笑う守屋のほうが――俺にはもう馴染み深い。
「でも意地悪いけどな、あいつ……」
だから思わず、そんな言葉がこぼれ出てしまって。
「ん? あいつ意地悪いか? マイペースだからたまに俺様に感じるんじゃなくて?」
「あ、そ……そんな感じっ」
やっぱりうっかりやらかすのは俺じゃないか! と、赤くなりそうな顔を必死に我慢した。
こんなとき、守屋の……あのしれっとしたズル賢さがうらやましくなる。
「ねぇ、兄貴……」
ふいに、言いにくそうな顔で千尋が声をあげた。
「ちゃんとシャワー浴びてきた?」
あーやっぱり言われたか……
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