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「背中、痛いでしょ?」
「え……?」
抱き寄せられた耳許で不意にささやかれて、何度かまばたきをする。内緒バナシのその距離で、守屋は低く甘ったるくまたささやいてくる。
「……俺がしたいなら、真尋さんもしたいんですよね?」
でもたのしそうで意地悪な――見慣れた笑みでは、あるんだけど。
うしろからのびてきた手が、すこしシャツの裾をまくりながら腰骨をつかむ。
「……腰、あげてください」
言いながら引き寄せるように腰を持たれるから、体が前に倒れる。ロッカーにすがって、尻を突き出すような格好になった。
「も、りや……」
慣れない体勢と見えない顔に心細くなって小さく呼んだら、
「息、吐いて」
短くて低い声が耳許に落とされて、荒っぽく尻の粘膜をひらかれる。
焦れているのを隠さないその声と食い込む指の力に、
「は、ぁ……っ」
緊張と期待で速くなる心臓から、ぎこちない息を吐き出す――その途中で、なんのためらいもなく一気に奥まで突き入れられる。
「ひっ、ぅ――はっ……あっ、う……っ」
奥の奥まで入ってくる守屋のそれに、内臓もなかも悲鳴をあげるのに、突き込んだのとは逆にゆっくり浅く抜かれる感覚に、欲求に素直な俺のなかは、勝手に守屋を締めつける。
「は……きっつ」
「や、だ……言う、な……ンっ」
あまり聞かないその感想に、粘膜が敏感に反応する。
だって、そんな気持ちよさそうにというか、正直に言わないでほしい……
「なんで?……すげぇ締めてるの、自分でもわかるでしょ?」
「あ、ン……わか、んな……あっ、あっ……それ、やだっ」
忙しない息の合間で、うなじにもシャツの隙間の肌にも吸いつかれながら、逃げる腰をつかまれて、奥のほうばっかり連打される。
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