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「なっえっ、エロく、ない……っ」
「エロいでしょ、こんな……俺にケツ突き出して、腰振ってんですよ?」
「うぅ……おまえ、さ、いて……ッひ、あっ!」
「それに、俺が動きやすい……です」
焦らすようだった動きが一瞬で突き上げる勢いに変わる。強打されているのに、またじわじわ甘くなって熱くなって。こわいような気持ちいいような感覚に苛まれる。
押されて、擦られて、ひらかれるたびに――腰にもその奥にも、甘くて鈍い痺れが広がって……それが体ぜんぶに伝わって。頭の中も感覚もやわらかく……トロトロこぼれるみたいに背筋を伝ってとけていく。
こんなの『きもちいい』以外になんて言えばいいのか、もうわからない。
「……俺しか、知らないんですよね?」
きゅうきゅう、締めつけているそこへ押しつけながら。守屋は熱にかすれた声を耳許に落としてくる。
「耳が弱いのも……指より舌が好きなのも……」
抱きすくめるように引き寄せて、ロッカーに置いてる俺の手にてのひらを重ねて、指をからめて。
「キスが好きなのも……」
「ん、んぅ……」
顎をとる指にくちびるをひらかれて、塞いでくる守屋にからめ取られて吸われて。
ひねるように向けているからじゃない、苦しいためいきがこぼれ出る。
とけあう息が、触れあう熱が……お互いを満たしていく。
「真尋さんが……こんなに感じるのも俺だけなんですね」
これ以上無理なほど分けあって、満たしているはずなのに。確かめるようなその鋭い目許には、まだまだもっと欲しがる熱があるから。
「……誓、だけ……」
恥ずかしい――より、なによりも。
「俺、誓しか……知らない。こんな、の誓だけにしか……ならない」
――ただ、すきだと思う。
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