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一瞬の浮遊感に悲鳴が出かかったくちびるはでも、噛みつくように塞がれた。
「んっ、ぷぁっ……っ、だ……め、これっ奥、すぎ……っ」
吸い上げるのもからめとるのも、舌が引き抜かれそうに強引で。必死に引き剥がして息を吸ってるのに、ねじ込まれている奥で内臓をぐいぐい押されるから、また息が詰まる。
「こんな、締め上げながらそんなこと言われたら……」
「んぅ、ぇ……揉まないでって、言って……や、だっ……ひ、ンっ」
てのひらが尻を集めるように潰すから、粘膜がきゅうきゅう締まっていく、勝手に締めつける。なかにある形まではっきりわかりそうに、からみつく。
「加減とか……余計に、する気なくなるんですけど」
「っ……も……ともと、する気ないの、かよ……っ」
「ないですよ、そんなの……はじめから」
逃げる腰もよじれる背中も両手でしっかり囲って、奥の奥まで押しつけながら、胸まで歯でいじられて。
余裕のない息遣いと引き寄せる力は、俺を離す気なんてなさそうだから、焦る気持ちもあるはずなのにぞわぞわ……煽られる。このままだと気持ちいい前に死ぬんじゃないか――と、本気でよぎる。
言う順番を間違えた、ゼッタイ……
「ちょ、っと待って……っまだ、してほしいこと……ある、から」
「……なんですか、そろそろ我慢も限界なんですけど」
鎖骨に噛みつく守屋は、熱っぽい目で鋭くにらみ上げてくる。焦れた欲求ムキ出しのそれに、鳥肌がすごい立つけど……
「い、言わないから……」
そのまま首すじも舐めてくるし、腰をつかむ両手はちょっとずつ揺らしてくるし。
「俺がはじめての人が……いい、とか……もうワガママ言わないから」
我慢なんて全然してないじゃないかっ、と泣きそうになりつつ……実は俺もじりじり腰が動くけど。
――まだ、守屋からは聞けていない言葉が、ほしい。
「俺のこと……すき、って言って……?」
心臓が重く速く鼓動して、ためいき混じりになるからまた聞き取りづらくなりそうだから、さっきの守屋がしたように……こつりと、額を寄せてつぶやいた。
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