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「え、な……なに?」 「気にしないでどーぞ。俺もやることやるんで」  そう言って制服のズボンに手をかけてくる守屋は、嫌味なほどにいい笑顔だから、先が十分読める俺は当然あせる。 「気になるっ、気になるからっ……脱がすなっ!」 「つづきしてほしいでしょ?」 「律儀におなじところからスタートしなくていいよっ」  あっという間に、ズボンも下着も剥かれてベッド下に落とされて。ぱっかり脚までひらかれて、守屋の唾液で濡らした指を入れられて。こんな状態で、しかもベッドの上で文字なんかまともに書けるワケがない! 「も……なんでっ! ホントにおまえって意地悪いな……っ」  まったくもって、これはいつもの理不尽パターンだ、と。ムダな抵抗にあきらめも混じるけど。 「真尋さんにだけですよ?」 「なんで俺にだけなんだよ!」  よろこべといわんばかりの言葉にいつも感じる不条理を叫んだら、 「やさしいのも意地悪いのも、真尋さんだけがいいんでしょ?」  わざとらしく甘く低めた声で。あいかわらず意地悪な笑みをくちびるにのせて。 「愛があるのも真尋さんにだけですから……許してください」  悪びれず……確信犯的に心臓を撃ってくる。 「うぅっ……じゃあ許す」  どうにも守屋がすきすぎる俺は、結局丸め込まれる運命なんだと――思い知る。 「俺、ずっとこうなんだな……」 「やっとあきらめつきました?」  自分の物分かりのよさと好きゆえの従順さに嫌気がさしているのに、守屋はうれしそうに「良い子ですね」なんてくちびるを重ねてくる。

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