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くるんっと、ひっくり返されて。これもまた簡単に抱き起こされて、あぐらの上に座らされて。「あと一回だけしてもいい?」とか、甘えた声できかれたけど。俺の好きな体位にしてから言うあたり、ホントにこいつ……
向かいあって抱きあって。上下にあやすように揺らされる。骨からやわらかくなっちゃうくらいの快感が奥から響いて広がって。与えられる気持ちよさを、もっと味わいたくて、爪先もぎゅって丸まるし目も閉じちゃう。
「……真尋さん、つらい?」
頬に寄せられているくちびるから、うかがうようなつぶやき。抱えてくれてる手も緩めてくれる。けど、やめられるほうが俺はつらいし、せつないんだけど。
「ん……へい、き……っ、きもちい……から」
そう思ってるのをやっぱり当然のようにわかる守屋は、
「……から、なんですか?」
「ぅ……い、じわるっ」
あいかわらずだし。でもだから、そんなこと……やっぱり当然のように知ってる俺は、
「……もっと、して……もっと誓のこと……ちょうだい」
結局、惚れた弱みを甘受する他ないんだと思いつつ。余分な熱が抜けた身体に残る、夢心地の甘さをさらにとかすように、ゆっくりゆっくり揺すられながら。
「ん、っ……せ、い……もう風邪ひかないで、ね?」
息継ぎできない苦しさも、それすら気持ちいいキスの合間に。
「俺……我慢できなくて、また……おかしくなる、から」
そうこぼしてみたら、
「……その“おねだり”は、ちょっときけないですね」
小首を傾げて困ったように笑われた。おねだりじゃなくて、切実な要望なんだけど……
なんで拒否られるのかわからずに見つめていたら、
「だって、おかしくなっちゃうド淫乱な真尋さん、かわいすぎるでしょ?」
なんて、恥ずかしくて叫びそうなこと、恥ずかしげもなくささやかれた。
「すきです、真尋さん……このままどっか閉じ込めて、ホントに俺だけのものにしときたい」
その、俺を赤面させてやまないくちびるが、
「俺なしじゃ生きられないカラダになるくらい、こわ――」
取り返しのつかなそうな言葉をこぼす前に、あわてて塞ぐ。
「俺……それ“うん”って言っちゃう、から……ダメ」
言ってくれていいのにってニヤつくくちびるに、言い返したい気持ちがわかないどころか、それもちょっといいかな、なんて思ってしまったりするくらいやっぱり末期だから。
――つける薬もないほど、俺は守屋のこと……だいすきすぎる。
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