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スティンガー ⑨
「や、ぁあっ、イく……っあ、ぁっ……ッ!」
「ハハッ、イっちゃったんですか? 出てないですけど。ナカが凄く痙攣してる。ほら」
瀬名の言う通り、身体は何度も小刻みに震え、ビクンビクンと痙攣を繰り返していた。瀬名の言う事を否定できず、恥ずかしさで涙が溢れそうになる。
「んんっ……や、やめ……っ抜けってば……っ」
「嫌です。もっと虐めてあげますから……ほら、連続でイけるでしょう?」
「あぅっ、や、ぁあっ!」
瀬名はそう言うと、バイブの強さを強にして、腰を掴んで激しく打ち付けた。
「やめっ……あぁっ、無理っ、あぁあっ! また、クる……や、ぁああっ」
「ほら、我慢しないでいっぱい出してください」
「あっ、ぁあっ、イくぅ……っ、んんんんっ!!」
瀬名に促された途端、目の前がスパークし、頭の中で火花が散った。身体が痙攣するがバイブが邪魔をして射精することが出来ない。
「うぅっ……ぁっ……」
「あれ? ドライでまたイったんですか?」
「も、もう、いい加減に……」
流石に息が苦しい。これ以上続けられたら壊れてしまう。懇願するように瀬名を見上げるが、瀬名の瞳は妖しく光り、笑みを浮かべていた。
「駄目ですよ。お仕置きはまだ始まったばかりなんですから」
「そ、そんな……っ」
「言ったでしょ? 許してあげないって」
どこか楽し気にそう言って瀬名はバイブの強度を最大に上げた。
「ひぃっ……!? あ、あぁっ……や、だっ……あぁっ」
あまりの刺激に身体が仰け反る。目の前がチカチカして呼吸すらままならない。
「どうですか? 気持ち良いでしょう?」
「い、い……っ、あぁっ、やだ……っこれ、変になるっ……!」
瀬名は必死に訴えかける理人を無視して、そのまま激しくピストンを繰り返した。肉壁が激しく擦り上げられ、その度に意識が飛びそうになった。
「うっ……ぁっ……」
「気持ち良すぎて声も出ませんか? 可愛いですね理人さん……」
瀬名は熱に浮かされたような表情で理人を見下ろすと、更に速度を上げて腰を打ち付ける。
「も、もう……っ……イきた……っ、頼むから……いっ、イかせてくれ……っ」
理人は快楽に悶えながら瀬名に手を伸ばす。その手を取ると瀬名は唇を重ねた。
「はっ……仕方がないな。じゃあ一緒に……」
瀬名は腰を揺すりながら、バイブを握り、一気にずるりと引き抜いた。
「く、は……っ……ああぁっ!!」
その衝撃に一気に絶頂まで駆け上がる。勢いよく大量に吐き出された精液が瀬名の腹に飛び散り、瀬名はそれに構うことなく、理人の中に己の欲望を叩きつけた。
「あぁっ……あつ、い……んんっ……」
体内に注ぎ込まれた瀬名の熱い体液の感触に理人は身震いし、そのままぐったりと床に倒れ込んだ。
「ふふっ……凄い、沢山出ましたね……気持ちよかった?」
「……っうるせ……くそ……っ」
満足そうに微笑む瀬名を理人は睨んだ。あんな屈辱的なことをされて、悔しくて堪らないはずなのに瀬名の言う通り身体は反応してしまう。
それどころかもっと欲しいと身体が疼くのだ。浅ましい自分の身体に心底呆れる。
「本当に貴方って人は……。まぁ、そういうところも嫌いじゃないですけど」
瀬名は苦笑いすると、汗で張り付いた理人の髪を優しく撫でた。先ほどまでの冷たい表情は消え去り、いつものように柔らかい笑顔で理人を見つめている。
「俺はてめぇなんて嫌いだ……たく、人の話なんて聞きゃしねぇ……」
「そうですか? でも僕は、そんな理人さんが好きですよ」
「……っ」
好きという言葉に理人の心臓がドキリと跳ねる。理人が戸惑っていると瀬名は理人の首筋に顔を埋めた。まだ汗ばんでいる肌に瀬名の髪が触れてこそばゆい。
「理人さんの汗の匂い……すごく好きです」
「変態……」
「失礼な。好きな人の臭いを嗅いで何が悪いんですか?」
「~~ッ! あー!! もう分かったから黙れよ!!」
恥ずかしい事を臆面もなく口にする瀬名に思わず怒鳴ると、瀬名は嬉しそうに笑った。
「理人さん、大好きです」
「っ、だー! だからっ、もう分かったから!!」
瀬名は理人の言葉に耳を貸さず、ちゅっと頬にキスを落とした。理人の頬が見る見るうちに赤く染まる。
瀬名はクスリと笑うと、理人をぎゅうと抱きしめた。
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