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第2話

店内を見渡すと年代を問わず、数人の男性客。 男しかいない。 さすがに女はネットで買うか....? あらゆる棚を見て回ると、なかなかユニークな商品もあり、楽しいかも。 それより、バイブ。 バイブのコーナーは何処だ。 うろうろして、ようやく、見つけた。 が、なんだ、バイブの種類の豊富さに驚愕してしまう。 「....何が、どう違うんだ?」 こういったおもちゃを使ったことがなく、あれこれ、手に取った。 全て箱に収められていて、直接、手に取り、確かめることは出来ない。 しかも、高額な物もあれば、無理だろ、と一人ツッコミしたくなる、ぶっといバイブまで。 「迷うな....」 ポツリ、小さく呟いた。 「彼女へのプレゼントかなにかかな?」 突然、話し掛けられ、バイブの入った箱を持ったまま、びっくりして飛び上がりそうになった。 「ま、まあ、そんなとこです....」 三十代と思しき、男らしい風格の男性客。 仕事帰りなのか品のあるスーツ姿。 穏やかな笑顔に少し安堵する。 「バイブで悩んでるの?種類も多いから仕方ないか」 「ですね、こんなにあるとは思わなかったです」 「バイブとか使ったことがないのかな?」 「あー、無いんですよね、だから余計、悩んじゃって...」 「高額な物ほど、良かったりするらしいけどね。初心者なら、これなんかどう?」 凛々しい男性客の優しいアドバイスに感謝。 「これ、こうこの辺りがうねるから、気持ちいいらしいよ、金額もそこそこだし」 ....にしても、四千円ちょいか。 それ以上の額のバイブもあるけど、下手したら、一万越えのまであるし、無難なのかな。 「じゃ、これにします。ありがとうございます」 紳士にアドバイスされたバイブの箱を受け取り、笑顔で礼を言うと、彼も笑顔で返してくれた。 さて、さっさとお会計して、早く使って、スッキリしよう、いや、したい。 これが、けつまんこにぶっ刺さって、しかも、うねるのか...楽しみ。いや、楽しみすぎる....。 わくわくしながら、レジに向かったが、イケメン店員の前で思わず、視線を逸らす。 「ラッピング致しましょうか?」 「いえ、いいです、...あ」 ローションも切れかかってたわ。 確か、途中の棚で見かけたな....。 「どうしました?」 「や、あ、ちょっと」 パタパタと慌ててローションを奪うかのように棚から取り、息を切らしながら、再度、レジに戻った。 「こ、これも一緒に」 「はい、かしこまりました」 イケメンの笑顔...レジ打ちする顔を盗み見る。 今日はこの人をおかずにしちゃおうかな。 爽やかイケメンの店員さん、俺の妄想で帰宅したら穢しちゃうけど、ごめんなさい!

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